731.「どう生きる」 誰にとっても 難題だ 「どう生かす」なら 露中の十八番(おはこ)

 

 米アカデミー賞2024で宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞を受賞した(ブログNo.698)。

 同アニメ英語版の題名はThe Boy and the Heron。直訳すると『少年とアオサギ』。上海在住でフリーの山田泰司氏によると、これについてスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、日本語の題名が哲学的・日本的過ぎて海外🛥では通じないからだと説明している1

 4月に中国で公開された同アニメの興行収入は既に100億円を突破している。題名は原題に近い直訳で(你想活出怎样的人生)。鈴木氏にインタビューしたロシア人は、ロシアでも原題で充分通じると語った1。ロシア語の題名は英語版と同じで、副題を『お元気ですか』としている。調べてみると、フランス語やドイツ語やスペイン語では『少年とアオサギ(又は鳥🐦)』になっている。

 続いて山田氏は、内閣府がこのほど発表した外交に関する日本の世論調査を引用し、中国とロシアに親しみを感じないなどの回答はそれぞれ86%と93%だったと明らかにした。これは中国の国家安全維持法やロシアのウクライナ侵略などを反映している。

 最後に山田氏は、様々な「だけど」があるけれども、直訳の「君たちはどう生きるか」という題名が露中両国民に受け入れられるなら、露中は文化的、思想的、素養的に日本と分かり合える部分がある、と悩まし気に結んだ。

 さて、筆者は露中日の国民感情に通じるものがあるのを是とするし、カップルロチューをするのも気にしない。しかし露中の政治は哲学的でも倫理的でもなく、微笑ましさなど全くない。

 

[出典1 2024年4月14日NHKラジオ第一▽海外たより 山田泰司