729.後段から 前へ前へと 出ているぞ 勝利目指して はくさん進む

 

 4月12日、産経新聞📰を読んでいて目に留まったのは神田松鯉(しょうり)が神田伯山(はくさん)と並んでいる写真1

 両人はNHKの古典芸能や千葉テレビの浅草演芸館に登場しているので知っている。筆者の印象だが、長い経歴があり恰幅の良い松鯉(81)は穏やかな相貌である。伯山(40)は笑顔でも目の奥に日本刀の抜き身が光るナイフ

 記事は人間国宝である松鯉の心構えを綴りつつも、5月28日に開催される東京の明治座公演、第5回古典芸能を未来へ」を宣伝している。勿論松鯉と伯山が登場する。

 先日少し触れたが、結婚までの筆者は毎週水曜日か木曜日の夜9時半からラジオ📻で講談浪曲を聴いていた。1982年に上京した後、1人で上野や歌舞伎座へ行って講談を聴いたことがある。

 場所は上野の鈴本か広小路だったと思うが、幕間に事件が起きた。筆者が後部右端の席に座っていたら、若いお兄さんが側に来て腰を折り、「〇〇さんでしょうか」と尋ねた。「いえ、違います」と答えると、彼は、「失礼しました」と述べて去った。その時筆者は銀縁の眼鏡を掛け、ダークスーツと同系色のベストを着ていた。彼も似たような出で立ち。「その筋」の若い衆と間違えられたようだ。

 さて、30年振りに公開直後の映画『レディ加賀』を観たのが2月20日。その記憶が蘇り、松鯉と伯山の講談を聴きたくなった。記事にある連絡先は電話📞番号だけ。

 「古典芸能を未来へ」を検索すると公演は5月28日だけ。明治座会員なら申し込みは2月28日からで、インターネットでの一般販売は3月5日から。料金を調べて座席番号を選び、「席とりくん」をクリックしたら、全ての席が売り切れていたガーン

 記事を書いたKM氏に言いたい。何故もっと早く紹介しなかったのか、と。新聞にとって5月末の公演を2月に掲載する意味はないのかもしれない。

 とは言え、喜ばしいこともある。松鯉が講談界に入った半世紀前、講談師は30人未満1。現在は3倍以上に増え、講談が再度日の目を見ているからだ。神田茜、宝井琴桜、旭堂鱗林などが女性講談師を引っ張っている。

 

[出典1 2024円4月12日付け産経新聞『神田松鯉「自分の講談 死ぬまで模索」』]