725.部屋の中 クシャミの後は 静寂(しじま)だけ されどワクワク 溢れる城だ

 

 今日は若者一人暮らし焦点を当てる。

 筆者の一人暮らしは21歳から26歳半ばまで。京都と東京を経て岩国へ転居し、やっと定職を見付けた。テレビ📺のない1LDKに住み、ラジオ📻を聴く生活を続けたので、結婚までの3年半は世間の流行とはほぼ無縁。自宅で友達との食事会をしたのは2度。

 何故転居を振り返ったのか。

 それはタレントの井上咲楽(24)が一人暮らしについて語ったからだ1。彼女のことを見聞きするのは今回が初めて。

 高校卒業後に栃木から東京に出た井上は、タレントとして一人暮らしを始めた。タレント業で転機となったのはトレードマークの太い眉毛を整えた2020年から。その後自宅に友達を招いて食事会ができるようになり、今年5月には料理本を出版する。現在住んでいるのは上京後6カ所目のマンション。

 一人暮らしに寂しさは付き物だ。夜帰宅すれば、真っ暗な中で電灯💡を点ける。コーヒー☕を飲むなら、自分で湯を沸かし、自分で後片付けをする。

 「咳をしても一人」

 そんな時間が付き纏う。

 しかし井上は尾崎放哉(1885-1926年)が晩年に詠んだ俳句のような時間を過ごしてはいない。彼女は過去6年間を振り返り、「一人暮らしにはワクワクすることが沢山詰まっていると感じます」と語った。

 何故そう言えるのだろうか。

 井上はMCや女優でありながらも昆虫や政治にも興味を持っている2個性を前面に出すなら、常に自分と向き合い、自分に欠けているものを補わなければならない。だから井上は自宅での時間⌛が足りないと感じている筈だ。だからワクワクしながら研鑽を重ねている。

 さて、筆者の眉はまだ黒くて太い。後退し、白くなった頭髪とは段違い。井上の若さには敵わないが、そこに一縷の望みを託すべきか。

 

[出典1 2024年4月8日付け産経新聞『一人暮らし』井上咲楽]

[出典2  https://ja.wikipedia.org › wiki ›

Wikipedia 井上咲楽(参照 2024-4-9)]