715.選挙とは 占拠と同じ 発音だ 数字の裏に 苦痛、反発 

 

 肉体的苦痛は嫌だ。2月末、筆者は近所の整形外科へ行った。ラジオ体操の時、両足を肩幅以上に広げて両手を右足首の方へ前屈させたり、椅子に30分以上座ったりしていると、右股関節鈍痛があるからだ。

 医師はサラリと言った。「加齢です」。昨年夏に左手首の痛みを訴えた時と同じ。画像を見ても左右股関節に外科的異常はないので、処置は痛み止め服用か湿布薬。筆者は薬剤を断わり、椅子に30分座ったら立って少し体を動かすことにした。加齢への対処は華麗ではない。

 精神的苦痛も嫌だ。例えばブログが書けない時。無い知恵を絞り、ありったけの知識を総動員し、時間を掛けて対応している。

 ロシア国民の場合、精神的苦痛が数字に表れている1

 3月半ばの大統領選挙でプーチン氏は87.28%の得票率で圧勝した。専制政治は盤石。但し144の国と地域で行われた在外投票で彼の得票率は72.3%。主要7か国(G7)だとロンドンで21.05%、東京で44.1%、ローマで61.73%、北京でさえ67.35%。

 一方、2020年に結成された政党「新しい人々」のダワンコフ氏の場合、ロシア国内を含めた全体の得票率は3.85%に過ぎない。しかしロンドンで53.07%、パリで38.14%、東京で39.24%が彼を支持した。

 在外投票総数は39万票弱なので、1億1,300万人の有権者数から見れば微々たるもの。とは言え、あの強権政治で全体の投票率77.49%その内の無効票と白票は1.57%2。つまり4人に1人弱は投票所に足を運んでいない。

 これらの数字は、元外交官の宮家邦彦氏が書いたようにロシア国民の懊悩を表わす。

 肉体的苦痛なら外科・内科的治療である程度は対処できる。

 精神的苦痛の場合、パワハラなどが原因なら損害賠償請求をする選択肢はある。しかし社会構造が主因であれば、名医さえ処方箋を出せない。

 さて、日本で直近の衆議院選挙(2021年)と参議院選挙(2022年)の投票率はそれぞれ55.93%と52.05%。この数字の低さを有権者の政治意識の多様性と言えばカッコイイが、実態は政治への関与の放棄である。

 

[出典1  NHK国際ニュース ロシア大統領選 在外投票では異なる傾向 国外有権者抗議意思か 2024年3月20日 15時14分 (参照 2024-3-28)]

[出典2  https://ja.wikipedia.org › wiki ›

2024年ロシア大統領選挙 - Wikipedia(参照 2024-3-28)]