711.スケートは リンク上での 妙技だが 刺(とげ)ある靴を 外では履くな

 

 筆者がスケート⛸をしたのは大学1年の冬。4年生だった先輩に連れられて山口市にあったスケート場に行った。2度行ったかどうかは覚えていないが、何とか前に進みはしても止まれなかった。スケート体験はそれだけ。

 3月18日、フィギュアスケート世界選手権がカナダのモントリオールで始まった。筆者はフジテレビ📺で男女シングルのショートとフリーを見た。

 日本からは宇野昌磨、鍵山優真、坂本花織、千葉百音らが参加。圧巻だったのは米国のイリア・マリニンのフリーで、5種類の4回転ジャンプ6本を成功させて優勝した🥇。判官贔屓かもしれないが、往年の羽生結弦と比べると氷上での優雅さにやや欠けるような気がした。尚、女子では坂本が優勝し、世界選手権3連覇🥇🥇🥇。

 演技の合間に気になったのは3つ。①ロシアはこの選手権を放映しているのか。②もしそうなら、ロシア選手権2024(2023年12月21日―24日)に参加した男女36人はどんな気持ちで見ているのか。少々センチメンタルと言われるだろうが、③彼らのスケートへの情熱は燃え続けているのか。

 さて、スポーツ国境はないと言われるが、これは理想論。2022年の冬季五輪(北京)直後にロシアはウクライナに侵攻した。ロシア五輪委員会は32のメダルを獲得したが、その名誉は地に落ちた。

 今年の夏季五輪はパリで開催される。ウクライナ選手とロシア選手との試合を平常心では観戦できない。正々堂々と持てる能力を全て発揮すればいいと割り切れる筈がない。

 為政者がスポーツを蔑ろにするなら、モスクワ音楽祭やチャイコフスキー・コンクールも同じ範疇に入る。

 元外交官の宮家邦彦氏が書いた通り、ロシア国民は苦しんでいる。国民の苦しみを慰撫する対外戦争などあり得ない。