700.戦いは 球場だけでは なかったと 新浦(にうら)脳裏に 鬼気迫る顔

 

 プロ野球⚾は3月29日に開幕する。野球と言えば誰もが注目するのはエンゼルスからドジャースに移籍した大谷翔平だろう。只、彼の結婚💕報道で「しゅん」として「推し」の対象から外した女子👩が多いようだ。

 巨人はほぼ半世紀前の1965年から73年までセリーグと日本シリーズでV9を達成した。打者で連続優勝に貢献したのは長嶋茂雄➌と王貞治➊。

 拙宅にテレビ📺が届いてからは筆者も巨人の試合を観るようになった(注 田舎での放送は巨人戦だけ)。長嶋は3塁手で王は1塁手。打球⚾が飛ぶのは3遊間が1,2塁間より多かった。捕球から送球までが映る長嶋に対し、王は捕球だけ。本塁打は王が凌駕していたが、筆者は長嶋のファンだった。

 長嶋の記録は2,471本安打、444本塁打、通算打率.305。王は2,786本安打、868本塁打、通算打率.301。2人が凄い成績を上げたのは努力の賜物だと単純に思っていた。

 2人の努力は試合前の練習だけではなかった。V9終盤に1軍で投げた新浦壽夫(72)によると、当時の巨人にはキャンプや遠征先の宿舎で有望な若手を長嶋や王の部屋に同室させるという慣習があった。これは1年間続く1

 先ず王と相部屋になった新浦は彼が、打撃の好不調に関わらず、部屋でバットの素振りをするのを見た。を見ながら、鬼気迫る顔でバットを30分とか1時間振り続ける。その間は正座。次に同室になった長嶋も同じことをした。2人の違いは1つ。王はパンツ1枚。長嶋は裸。声など掛けられない雰囲気が部屋に充満していた。

 プロがプロたる所以は日々の反省と工夫と努力。

 さて、筆者は30年ほど前に警察官👮から紹介して貰った焼肉屋に通っていた。本店は川崎の平間で、支店が砂子にあった。店主の故Mさんは焼肉屋を開く前、キャバレーを経営し、店に歌手芸人を呼んでいた。彼が話してくれたのは漫才コンビのこと。1人は出番と出番の合間に只管(ひたすら)本📖を読み、相方は近くの飲み屋に行っていた、と。読書していた方は現在世界的に名が売れている。尚、Mさんは営業妨害をする暴力団と戦ったことを本📗に書き、それが宅麻伸主演で映画🎥になっている。

 

[出典1 2024年3月11、12日付け産経新聞『話の肖像画』新浦壽夫]