685.ドリアンは 売れに売れてる 王様だ 王様ならば 機嫌を取れか?

 

 21億ドルの取引とは何か。

 為替レートを1ドル150円とすれば3,150億円。単純比較は乱暴だが、2023年の日本の上場企業を見ると、58位のいすゞ自動車🚚と59位のクボタ(農業機械)の売上高に近い1

 21億ドルとは2023年にベトナムが輸出したドリアンの総額である2。この額は前年比7倍であり、そのほぼ全てが中国向け。2023年の同国輸出総額は3,546億ドルなので3、ドリアンが占める割合は0.59%もある。

 他の作物からドリアンへ転作する農家が急拡大する中、特産のコーヒー☕豆栽培も岐路に立つ。コーヒー豆に比べて利益が2倍以上になるからである。

 果物の王様と言われるドリアンは「行け行けドンドン」なのか。ベトナム政府は警告👮を発している。何故か。中国には農水産物などの輸入を突然禁止した過去があるからだ。予測不能の事態に対し、農業団体はドリアンの販路拡大のため政府に働き掛けてもいる。

 事実、中国は政治的理由で経済的威圧を繰り返している。

 2012年、中国は南シナ海の領有権を争いによりフィリピン産バナナ🍌輸入を禁止した1

 2020年、オーストラリアが新型コロナ感染症の発生源を突き止める国際調査を求めると、中国は豪州産石炭などの禁輸措置を取った(ブログNo.87)。捕捉:2024年2月27日、中国商務省は豪州貿易相に対し、TTP経済協定に関し中国加入への支持を求めた。

 2021年と22年、中国は「害虫検出」などを理由に台湾産パイナップル🍍や高級魚🐟ハタの輸入を禁止した(同上)。

 2023年夏の東電福島原発の処理水海洋放出に伴い、中国は日本産水産物輸入を全面的に禁止している。

 さて、中国の傍若無人な振る舞いは今に始まったことではない。ロシアやイランや北朝鮮を除く各国は経済の中国依存に警鐘を鳴らし続けている。

 ハタと気付いた時、咳痰(せきたん)で苦しみたくないからだ。「そんなバナナ」と呆れてはいられないし、「ドリァアンすればいいの」と途方に暮れる訳にもいかない。直視するべき現実はもう30年以上も続いている。

 

[出典1 https://minkabu.jp ›

売上高ランキング【株式ランキング】 - みんかぶ(旧みんなの株式)2024/02/28(参照 2024-2-29)]

[出典2 2024年2月28日NHKラジオ第一▽ワールドリポート「“ドリアンバブル”の影」ハノイ支局▽鈴木康太]

[出典3  https://www.jetro.go.jp ›

2023年の貿易額は14年ぶり前年割れも、9月以降は回復傾向 ジェトロ(日本貿易振興機構)24/2/1(参照 2024-2-28)]