668.ワカメには 海の恵みの 力あり 海の向こうの お袋の味

 

 2月6日、筆者は初めて生ワカメを買った。1㎏で200円と安かったからだ。何故初めてなのか。ワカメ・レシピが味噌汁だけで、ワカメに旬(2-5月)があることを知らなかったからだ。量が多いので葉の部分は2種類の和え物にし、茎は糸こんにゃくと炒めた。残りを熱湯にサッとくぐらせてから保存した。歯ごたえが生と変わらないのが不思議。

 2月10日、NHKラジオ第一がワカメを話題にした1。韓国KBS放送の金さんがワカメスープ(ミヨックッ)を紹介した。調理は簡単。ワカメと牛肉の細切れをゴマ油で炒め、水を入れ、沸騰したら醬油、塩、ニンニクで味を付けて完成。

 ミヨックッは韓国の伝統料理で、「お袋の味」と言われる。近年は高級料理化していて、ウニや牛の霜降り肉も入れるとか。

 筆者が驚いたのはミヨックッが単なる「お袋の味」ではないこと。女性は出産したその日から食べる。ワカメに含まれる鉄分貧血予防になるからだ。又、大人の誰かが、「今日はミヨックッを食べる」と言えば、その日がその人の誕生日になる。

 そこで日本の出産後と誕生日の食事はどうなっているかを検索した。出産した女性に必要なのは、エネルギー源の主食と蛋白質(肉、魚、玉子、大豆製品)、鉄分(鶏レバー、ヒジキ、小松菜、豆乳)、ビタミンB12(レバー、魚介)、カルシウム(牛乳、干しエビ、豆腐)と汁物による水分補給とある。しかし伝統料理らしいものは出てこない。

 誕生日も同じ。ロウソクを立ててケーキを食べるだけで、これは輸入された食文化。

 さて、日本と韓国のこの違いは何故なのか。大陸の影響があるからかと思い、中国人の友達2人に尋ねた。豆や鶏のスープを飲む習慣はあるらしいが、誕生日の食習慣はない。

 現代中国は100年ほどの歴史しかなく、日本は遣唐使の時代を経て独自の文化を発展させてきた。とは言え、ミヨックッの伝統は日本でも取り入れるべきだ。何故ならKBSの金さんが最後にこう言ったからだ。

 

 「ミヨックッを誕生日に食べるのは、母への感謝と無事に育ったことを祝うという意味がある。」

 

[出典1 2024年2月10日「マイあさ!」▽海外マイあさだより:韓国]