662.少年と 少女の夢は いつ消える 何があったら 復活するか

 

 「夢を見る」とか「夢を叶える」とはよく聞く言葉だ。漢字の夢の成り立ちについてはブログNo.584で触れ、1つの夢を実現すれば次の夢を描くことになると書いた。

 冒険家でプロスキーヤー⛷の三浦雄一郎氏(91)は、最近も足を鍛えつつ健康補助食品💊のTVコマーシャルに登場する。彼は80歳だった2013年に3度目となるエベレスト🏔登頂に成功した。この時は骨盤骨折から復活してのこと1

 筆者は知らなかったが、三浦氏は2020年に難病を発症した。手術💉後に「もう歩けないだろう」と宣告され、2カ月間も寝たきりになり、要介護4と認定された。しかし彼は夢を諦めず、2021年夏、富士山での東京五輪聖火ランナーという大役を果たした。そして2023年秋には息子(豪太)と共に『諦めない心、ゆだねる勇気』📕を出版している1

 就職情報サービスを提供するマイナビが実施した大学生(25年卒)への調査によると、結婚後の仕事に関して、共働きを希望する割合は70.0%で調査開始(16年卒)以来過去最高だった。この結果については異議なし。しかし「子供👦👧」と「子育て👶」への回答は「欲しくない」が19.2%と「考えたこともない」が10.0%で、前回調査の13.1%と8.7%から増加。

 さて、日本は少子高齢化社会である。子供のいない老夫婦の場合、体が不自由になれば介護施設に頼ることになる。三浦氏の場合、妻と3人の子供達が奮闘し、聖火ランナーを務めるという夢を実現させた。逆に言うと、家族がいなければ夢の実現はなく、要介護4から5に上がった可能性が高い。

 介護職員と家族とを単純に比べることはできないが、「血🔴は水よりも濃い」という諺がある。筆者は、結婚しないとか子供が欲しくないという考え方に賛同しない。親に対し、「産んだから育てただけだろう」と言う捨て台詞などは聞くに堪えない。

 三浦氏の父👴は18年前に101歳で亡くなった敬三氏。彼は著書の『101歳の少年』に、人生の喜びは「毎日、少しずつ更新されていく。どの時点の喜びが一番大きいかと聞かれれば、〝今″と答えるしかありません」と書いた1。その言葉の裏には家族と共に責任を果たしつつ生きたという自負もある筈だ。

 

[出典1 2024年2月4日付け産経新聞『論説委員日曜に書く』木村さやか]

[出典2 マイナビ ニュースリリース2024.01.25 2025年卒大学生のライフスタイル調査~Z世代の就活生の“日常”と“将来”を徹底研究!~(参照 2024-2-5)]