660.冷食の レンジでチンは 時短だが 人を介した 自然の恵み

 

 先日、夕方のテレビ📺が冷凍食品を特集した。冷食とは-18度C以下の低温で保存されるものであり、未調理のものと調理済みのものがある。最近は冷食に特化したスーパーもある。ニンジン🥕なら細切りや乱切りやミックスもある。値段は生のものよりやや高い。

 子育て中の若い夫婦がよく利用しているらしい。番組では家庭を訪問し、いくつかの時短料理を紹介した。子供達も喜んで食べていた。離乳食にも使いやすいようだ。調理済み食品は電子レンジでチンするだけなので、仕事で忙しい独身者にも受けている。

 筆者は月に2度川崎詣でをする。1回は川崎競馬🏇へ行くため。もう1回はアマチュアの歌🎤や演奏🎷を聴くため。他には飲み会🍺にも出掛ける。そんな時、昼間働く妻はどうするか。自分の好きな料理を作ろうとはしない。冷凍庫を開け、買い溜めした食品をチンし、お湯を注ぐだけのスープを飲む。

 さて、生鮮食品なら早めの調理が不可欠だが、冷凍なら時間を有効に使うことができるし、組み合わせれば栄養が偏ることもない。筆者がここで論じたいのは冷凍食品の是非ではない。いくつか気になることを書く。

 1つ目:料理をしない若者は包丁🔪やまな板や鍋の使い方を知らなくなる。今回の能登半島地震では「炊き出し」支援が各地で実施されたが、料理の基本を知らないと現地では役に立たない。自分が被災者になった時の対処も限られる。

 2つ目:ミシュランガイドで星☆付きなど高級レストランで食事🍴をする際、客は厳選した食材の味付けと盛り付けを楽しむ。殆どの客は料理の素晴らしさに舌を巻くが、「どうすればできるのか」を学ぼうとしない。

 3つ目:人は食事を体力維持や栄養補給の単なる手段にしたがる。そうすると目の前に並ぶ食材が本来の価値を失う。調理とは、生でも冷凍でも、農家が丹精込めて作る牛肉や野菜や漁師が獲る魚に新たな命を与えることである。

 4つ目:若者の脳が食事=冷凍食材だと理解すると、地球温暖化台風や異常気象で被害を受ける農家や漁師への気持ちも冷却されたままになる。自然の恵みへの「感謝」もなくなる。感謝の気持ちがない調理はスマホ📱の充電と変わらない。