624.黒頭巾 鞍馬天狗は 勤王で 霞が関は 赤ずきんちゃん

 

 2014年9月2日、インドのモディ首相は、「暗闇にランプを灯せば明るくなる」と聖心女子大学で語り、インド太平洋での印日協力が重要だと強調した(ブログNo.619)。これで東アジアの暗闇に一条のが差した。

 2023年12月20日、外務省は1992年の外交文書を公開した。同文書は外務省の暗闇に一条の光を当て、恥ずべき赤い🔴膿(うみ)を明らかにした。端的に言うと、同省幹部は1992年10月の天皇訪中✈を外交的に政治利用した。コラムニストの乾正人氏は外務省が「百年の禍根を遺した😡」と憤る1

 天皇訪中が本来の目的である友好促進であれば、誰も目👁くじらを立てない。しかし1989年6月の「天安門事件」後の中国は、外交的失地回復に躍起になっていた。その方便が訪中実現だった。

 中国は外務省幹部に対し、訪中取り止めなら「日中関係は挫折する」と警告し、「江沢民総書記などの政治生命が掛っている」などと掻き口説いた2。(舐められたものである)

 そこで立ち上がったのが当時の大和田亘外務次官、谷野作太郎アジア局長、橋本恕駐中国大使だった。彼らは宮澤喜一首相(渋々賛成)や中曾根康弘元首相や福田康夫元首相(反対)を説得し、読売新聞やNHKなどに対してマスコミ工作を開始した。北京支局が反中国記事を配信していた共同通信には脅し文句で懐柔した2

 最後まで訪中反対を貫いたメディアは産経新聞📰の編集局長と外信部長だった。

 さて、赤い暗闇にも1本のロウソク🕯に火が灯っている。そのロウソクとは外務省が1992年の外交文書を処分せず、黒塗り⬛なしに公開したことである。海の向こうの国ではそうは行かない。

 尚、助けが必要な時、いつも猟師が通り掛かることを期待してはいけない。

 

[出典1 2023年12月22日付け産経新聞『大手町の片隅から』矢張り外務省は国を誤らせた 乾正人]

[出典2 2023年12月21日付け産経新聞『中国、権力基盤強化にじむ』]