502.排水の 検査無視する 国ありて 魚の命 少し延びるか

 

 2023年8月24日、東電は福島第一原発の処理水放出を開始した。同日、中国政府は日本産水産物うお座輸入を全面的に停止ドクロすると発表した。

 25日、中国と北朝鮮は国連安保理で東電の処理水放出を非難した。

 26日、公明党は山口那津男代表らによる28日から30日の訪中延期を発表した。この延期は中国側から「当面の日中関係の状況に鑑み、適切なタイミングではない」という要請があったからである1

 もう何度か書いたが、中国の原発が放出する処理水もトリチウムを含む。その量が東電処理水の基準を数倍超えている原発もいくつかあるが、中国は日本を叩き続ける。

 現実には天地がひっくり返ってもあり得ないことだが、筆者が山口代表なら以下の声明ムキーを出す。

 

 「今回の訪中は延期になりましたが、私は中国側に処理水放出を真摯説明するつもりでした。そして1つだけ要請するつもりでした。中国で現在稼働中の53基の原発2の処理水を国際原子力機関に検査させていただきたい、と。

 中国は建国以来74年間、国際社会において名誉ある地位を占めようと努力を重ねて来られました。この検査受け入れが国家の地位を更に高める拍手ことに疑いの余地はありません。

 次回の訪中ではこの要請を直接中国政府に伝えたいと思います。」

 

 さて、日本のメディアは何をするべきか。日本の漁業関係者や中国の飲食店寿司経営者や顧客の声ばかり取り上げても意味はない。そんなことに費やす時間を世界の原発処理水事情を伝えることに終始せよ。メディアの役目は啓蒙。国や国民を迷走させることではない。

 

[出典1 Reuters 山口公明代表らの訪中延期、中国側「適切なタイミングでない」23年8月26日7:29 午後(参照 2023-8-27)]

[出典2 『原子力文化』2023年8月号「追跡原子力」]