231.子どもには 〝難″と教える 理想の理 色分けの国 色分けのまま

 

 バルト三国と言えばエストニア、ラトビア、リトアニアのことである。人口はそれぞれ132万人、188万人、272万人。3カ国共に北大西洋条約機構(NATO)・欧州連合(EU)および経済協力開発機構(OECD)の加盟国であり、通貨はユーロ。近代史では帝政ロシアとソ連により辛酸を舐めている1

 このバルト三国で新しい動きが出ている。

 2021年7月、リトアニアは中華民国代表機関の新設について「台湾」の名称を使用することに同意した。11月18日、中華民国外交部はヴィリニュスに台湾代表処(大使館に相当)を開設したと発表した。これはヨーロッパで初めてのことであり、中国はリトアニアに対し報復措置を取った。2022年11月7日、リトアニアは貿易代表処を台湾に開設した。同国は2021年5月に中国と中東欧諸国の経済協力枠組みを脱退しているが、2022年にはエストニアとラトビアも追随している。チェコの下院外交委員会でも同様の動きがある2

 すでに何度も触れたが、国連安保理には5大国拒否権があり、ロシアの暴挙を非難する決議を何度採択しても、国際社会色分けは変わらない。

 11月15、16日のG20サミットでもほとんどの加盟国がロシアを非難したが、首脳宣言では「情勢・制裁について異論や異なる評価」があったとも指摘した。(注 ブログNo.227)

 11月18日からタイで開かれていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)は19日に閉幕した。21の国と地域が参加して首脳宣言を採択したが、ロシアに関する限り宣言内容はG20の宣言とほぼ同じである3

 さて、安保理、G20、APECなどが何をどう話そうと、軍事力や経済支援などの力関係で世界の色分け構造は変わらない。良識ある大人子どもたちにこの現実を何と教えればいいのだろうか。

 理想とは「現実の状態の発展の究極として考えられた最高の形態。実現可能で相対的な究極状態と、実現不可能だがそれでも行為を促す絶対的な状態の2つに分かれる」とある4

 「理」の意味は玉を磨く、人のいる場所を治めるであり5、鉄砲玉や民族浄化とは無関係である。日本ではこの字を小学校2年生に教える。北の国や中の国は理を欲と教えるのだろう。

 

[出典1 https://ja.wikipedia.org › wiki › バルト三国

バルト三国 - Wikipedia(参照 2022-11-20)]

[出典2 2022年11月20日付け産経新聞『主張 自由と民主主義の連帯だ』]

[出典3  APEC首脳会議が閉幕 議長国タイ 首脳宣言を採択

NHK 2022年11月19日 20時43分 (参照 2022-11-20)]

[出典4  https://kotobank.jp › word › 理想-148828

理想とは - コトバンク(参照 2022-11-20)]

[出典5  https://kanjitisiki.com › syogako › syogaku2

「理」の漢字‐読み方・意味・部首・画数・成り立ち - 漢字辞典(参照 2022-11-20)]