44.麦酒なら 中東生まれ ヴォートカは ロシアで製造 暴徒化困る

 

 ビール🍺党にとってハイネケン、バドワイザー、クアーズ、サッポロ、キリンなどは馴染みの名前だろう。しかし彼らはピールが今から7,000年前にイランで製造されていたことを知っているだろうか。6,000年前の古代メソポタミアでもピール🍻は飲まれていた。ウルクという町の労働者たちは給料の一部をビールで受け取っていた。古代エジプトではビールが墓の副葬品に1つになっていた1

 一方、イヴァン1世の孫がモスクワなどを治めていた14世紀後半、ヨーロッパから「命の水」と呼ばれる蒸留酒がロシアに伝わった。15世紀半ばにはライ麦を原料とした「ジーズネンナヤ・ヴァダー」と呼ばれる酒が製造され、これを略した「ヴァダー」がロシア生まれのウォッカの語源の1つと考えられている2

 筆者は左党🍶である。偶々相席になった親切な人から勧められれば、ビールでもウォッカでも有難くいただく。ビールの場合、その人と握手をする。ウォッカの場合、中央競馬(JRA)のG1レースで7勝した牝馬🏇に乾杯する。

 さて1990年代、エリツィン大統領は酒豪として知られていた。蒸留酒にしろ、果実酒にしろ、為政者にはアルコールの影響を言い訳として、単なる暴徒のような行動を取って欲しくはない。

 しかし北の国の御仁がウォッカを嗜んでいるとは聞かない。彼には、全ての雑味を取り除くために細心の注意を払って蒸留した酒を、一級の知識人3人とではなく、良識ある仲間と嗜(たしな)んでもらいたい。そうすれば平常心を取り戻すことができるし、ホンワカとした気分になれば、世の中を素直に一般人の目で見ることができるだろう。但し、心に余裕のない人には有る・凍る(アルコール)にしかならない。自己陶酔するだけで周囲の人たちが楽しくなることはない。

 

[出典1 『原子力文化』2022年5月号『中東万華鏡』保坂修司「ビールと中東」p.14]

[出典2 https://ja.wikipedia.org>wiki>ウォッカ - Wikipedia(参照 2022-5-9)]