25.青雲の こころざしある人 国外へ 困ったときは リクルートして

 

 民法が改正された日本では、2022年4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられた。平安時代から江戸時代まではと言うと、天皇家を含む公家や武士社会では、男子は元服の儀式を、女子は髪上げなどの儀式を経て成人となった。成人年齢は12歳から16歳くらいまでが多かった1

 睦仁(むつひと)天皇(明治天皇)の場合、江戸幕府の第15代将軍徳川慶喜から大政奉還の奏上を受けた1867年11月9日にはまだ15歳だった。元服したのは翌1968年2。以後内乱などがあったけれども、若い天皇が新生日本を治めることができたのは、志があり、まだ30代だった西郷や大久保や木戸や伊藤や山県がいたからである。

 ロシアは一部のロシア・シンパがウクライナにいることを口実に傀儡政権を成立させようとしている。

 そんなロシアでは現在〝頭脳流出″が起こっている3。約30万人が国外に出たという推定もある。ロシア人の海外移住を支援する非営利団体の「OK Russians」が3月中旬に実施した約2,000人の調査によると、そのうちの3分の1がIT関連の労働者で、全体の57%が34歳以下だった。これら生産性の高い人材流出は、中長期的にロシア経済に深刻な影響を及ぼすと考えられている。

 今回の侵略は頭脳流出だけでは終わらない。遅かれ早かれロシア人の誇りや倫理感など全てが溝(どぶ)に捨てられる。そもそもクレムリンで専制政治がまかり通るのは、権限を委譲できる優秀な人材がいないからである。

 ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を傘下に置くPPIホールディングスの2021年の売り上げは1.7兆円。そのドン・キホーテはアルバイトの従業員にも権限を移譲し、業績を伸ばしている。吉田直樹代表取締役社長は4月17日のテレビ番組でその意義を説いた4

 遅きに失するとは言え、有意のロシア国民が現在できることがある。それはクレムリン周辺の側溝を見張り、使えなくて捨てられる脳の塊を採取し、クレムリンに何が欠けているかを分析し、それを世界に伝えることである。

 そうしてくれれば、ロシア再生の時、民主主義国家は、アルバイトを含めた有能な人材をロシアに派遣することができる。

 

[出典1 https://kotobank.jp>word>元服-61021元服とは - コトバンク精選版 日本国語大辞典「元服」の解説(参照 2022-4-21)]

[出典2 https://ja.wikipedia.org>wiki>明治天皇 - Wikipedia(参照 2022-4-21)]

[出典3 2022年4月21日付け産経新聞『露の頭脳数十万人流出』黒川信雄 (参照 2022-4-21)]

出典4 https://www.tbs.co.jp/gacchiri/ がっちりマンデー - TBSテレビ(参照 2022-4-17)]