本日(10月4日)の衆議院本会議において新たに就任した石破総理大臣の所信表明がありました。
マスコミ報道では、野次で議場が騒然とのことでした。私の場合は、野次というより驚きで「えー」と声が漏れてしまった箇所がたくさんありました。
例えば、「政治資金問題などをめぐり国民の政治不信を招いた事態について深い反省」と言いながら、主語がない。誰が政治不信を招いたのか、誰が反省するのか、不明です。特に、旧石破派=水月会にも裏金があったとの報道がありますが、事実関係が不明では深い反省にもなりません。
「岸田総理は・・・責任を取るために退任」とあり、岸田総理がやめたから、コレでおしまい、と聞こえました。深い反省はどこにいったのでしょうか。また、岸田総理は責任を取るために退任したのだから、来たる衆院選で自民党が大敗したときに石破内閣を総辞職させて岸田前総理が再登板との見通しを披露する政治コメンテーターがいますが、そうした動きを牽制するために岸田再登板はナシと言っているのでしょうか。
石破総理は「類をみない人口減少・・・政治は十分に責任を果たしてきたのでしょうか」と述べました。が、正確には、主語は「政治は」ではなく「自民党は」でしょう。15年前、30歳代後半にさしかかった団塊ジュニア世代がギリギリ子どもをもう一人産めるかどうかのタイミングで民主党政権は「子ども手当」を創設しようとしました。しかし、自民党が強硬に反対して潰しました。今になって「子ども手当」を実現しようとしていますが、遅いです。15年の歳月を無駄にしてしまいました。このことについても、深い反省が必要ですが、その自覚はないようです。
石破総理は「ルールを守る」と繰り返し述べました。であるならば、裏金議員は少なくとも使途不明金について納税するように岸田総理は指導すべきです。一般国民は、使途不明なら経費に算入できず、課税対象になります。裏金議員の多くは政治資金収支報告書を訂正しましたが、多くの金額について「使途不明」として記載しています。使途不明なら所得税法と地方税法を守って納税するべきです。
一方で、総裁選挙のときに石破候補が主張していた、健康保険証の継続、選択的夫婦別姓の導入、日米地位協定の改訂、原発ゼロに近づける努力、金融所得課税の強化、防災省創設は盛り込まれていませんでした。石破カラーは脱色されてしまったのでしょうか。
また、ジェンダー平等について、石破候補は総裁選で女性の社会参画を進めると主張し、今日の所信でも「女性が参画することを官民の目標とし、達成への指針を定め、計画的に取り組みます」と述べましたが、大臣20名のうち女性はたった2名で1割、副大臣・政務官は54名のうち女性は2名(副大臣と政務官で1名ずつ)で4%です。有言不実行、言行不一致の石破内閣と言わざるをえません。
干されても正論を言いつづけていた石破さんはどこにいってしまったのでしょうか?