一昨日(5月10日)の日本経済新聞に興味深い記事がありました。「NISA円安 じわり進行 為替介入に新たな伏兵」との見出しの記事によれば、「輸入企業による実需の円売りや、ヘッジファンドによる円売り投機が一因とされてきたが、新NISA(少額投資非課税制度)を通じた個人の海外投資の拡大が新たな伏兵として浮上してきた。「為替介入」だけでは、恒常的に生じる円安圧力を抑えきれないとの見方が市場を覆いつつある。」とのこと。

 

 岸田内閣は、資産所得倍増プランで新NISAなど投資を奨励しています。2022年2月9日の衆議院本会議と2月21日の衆議院財務金融委員会で、桜井シュウは、TOPIX(Tokyo Stock Price Index:東証株価指数)よりもMSCI(Morgan Stanley Capital International)の方がはるかにパフォーマンスが良いことを示しつつ、資産所得倍増プランを進めれば株式市場のパフォーマンスは日本株よりも外国株の方がはるかに良好ですので、日本の個人金融資産が外国株投資に向かえば、キャピタルフライトのようなことになりませんか?と指摘しました。キャピタル・フライトのようなことになれば、円が売られて外貨が買われることになりますから円安要因になります。

 1年前に桜井シュウが指摘した懸念が現実のものになりつつあるというのが日本経済新聞の記事です。日本経済新聞は、岸田内閣の資産所得倍増プランに乗っかっていたように見えましたが、ここにきて掌を返したのでしょうか。政策は、政策目的だけが達成されるというものではありません。様々な副次的な効果が発生します。プラスの効果であれば一石二鳥として大歓迎ですが、副作用のような効果が生じることもあります。

 桜井シュウは、政策のその先をシッカリと見極めて政策を提案していきます。