一昨日(5月9日)に厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査では実質賃金はマイナス2.5%でした。実質賃金とは名目賃金上昇率から消費者物価上昇率を差し引いたものです。24ヶ月連続でマイナス、つまりこの2年間、実質賃金は下がり続けています。

 昨年の春、春闘(春季生活闘争)で1993年以来の30年ぶりの大幅な賃上げと報道がありました。しかし、3.6%の賃上げと言っても、そのうち約2%は定期昇給分ですので賃金水準全体の押し上げにはなりません。結局は、物価高に賃上げが追い付きませんでした。

 今春の春闘では1991年以来の33年ぶりの大幅な賃上げとの報道がありました。しかし、ここにきて異次元の円安が進んでいます。円安が進めば、食糧やエネルギーなどの輸入物価が上がり、消費者物価全体が押し上げられます。今年こそ、物価高を賃上げが上回ることができるのでしょうか。アベノミクスをズルズルと引きずっていては実現は難しいと思います。

 まずは、アベノミクスからの決別を宣言することです。そうすることで金融市場の雰囲気がガラリと変わり、異次元の円安を反転させることができます。