本日(7月27日)、原子炉を建設した経験を豊富にもつ技術者の方々とともに原子力規制庁に対してヒアリングを行いました。

 

 東京電力福島第一原発の1号機の原子炉圧力容器が地震で倒壊してしまうかもしれない、そうなると原子炉内の放射性物質が放出・拡散されることになるので福島県のみならず関東と東北から避難しなければならないぐらいの被害になるリスクがあるとのことでした。

 1号機の原子炉では、鉄筋コンクリートのペデスタルのコンクリートが剥がれ落ちて鉄筋がむき出しになっていることが昨年の原子炉内の調査で明らかになり、想定外のことで衝撃が走りました。原子炉圧力容器を水平方向に支えるスタビライザーも破損している可能性が十分になるとの指摘でした。というのも、事故発生時は高温でスタビライザーも高温になって切れるか伸びきってしまうかなどで機能が損なわれている可能性が十分にあるとのこと。

 技術者の方は、倒壊しないようにするための予防法を提案してくれています。スタビライザーの足場にコンクリートを張って新たに水平方向の動きを制御するものを設けるという提案でした。

 

 また、東京電力福島第一原発について処理水の海洋放出に注目が集まっています。ですが、それ以前に未処理の汚染水が海に流れ出しているのではないか、という指摘がありました。潮の満ち引きで海水面が上下すると、それにつられて地下水位も上下する。原発の敷地と海との間には遮断壁が設けられているものの、地下水位が上がるタイミングでその隙間から汚染水が海に流出している可能性があるとの指摘でした。

 隙間から漏れ出しているということで、一か所からは大量でなくとも敷地が大きいだけに量としては非常に多いです。海洋に汚染水が流れ出さないようにするためには、東京電力福島第一原発の海側に設けられた港湾施設を閉鎖して海洋と敷地を遮断することを提案しています。

 

 現場を良く知る技術者から直接、話を聴けて勉強になりました。桜井シュウは、30年以上前にコンクリート工学や構造力学の授業を履修したことを思い出しました。