中古車販売のビッグモーターが、修理車を故意に損傷して修理代を過大に請求するなど、損保会社に対して保険金を不正に請求していたことが明らかになりました。

 こうした不正は、1つや2つではなく、かなり多く行われていたようで、全貌は分かっていないようです。直接的な被害者は、修理に出した顧客と損害保険会社ですが、過大な保険金支払いによって保険料が底上げにつながっていたのであれば、自動車保険に入っている全ての人が被害者ということになります。

 

 不正は随分前から行われていたようですが、これまでは一部の報道にとどまっていたようで、大きくは取り上げられていませんでした。なぜ、これまで明るみにならなかったのか、自動車保険制度全般に影響することですから、政府も対応せねばらななかったでしょう。

 

 不正は、いずれ明るみになります。損害保険会社などの被害者は、過大に請求された分は返還を求めるでしょうから、その総額は巨額になり、会社の存続は難しくなるかもしれません。会社の規模拡大を追えば、かえって会社を破綻に追い込むことになります。持続性のない、いずれ破綻するような経営が行われたのかも明らかにせねばなりません。


 修理部門の現場の従業員は、加害者であったかもしれません。しかし、自動車関係の仕事を選んだということは、車が好きだったのでしょうから、その車を傷つけるというのは心痛む行為だったのかもしれません。そうした行為をやらせる経営とは何なのか、この点でも罪深いと思います。

 

 テレビのCMで「車を売るなら・・・」というのをよく見かけていたのですが、まさかその裏でこのような不正が横行していたとはビックリです。


(写真)ダイエー跡地に最近できたビッグモーターの店舗