先日(7月11日)、トランスジェンダーの経済産業省職員に対する女性トイレの使用制限について、最高裁判所は、トイレ使用制限は不当との原告の職員の主張を認め、経済産業省の違法とする判決を下しました。この裁判では、東京地裁では原告勝訴、東京高裁では原告敗訴、と裁判所の判断が揺れましたが、最高裁では東京地裁の判決の通り再逆転の勝訴となりました。

 この判決では、これまでトラブルがなかったこと、職場という使用する人が制限されている状況など様々な要因を踏まえての判決であるので、一般化することはできません。が、ともすればトランスジェンダーの方をともすれば犯罪者予備軍的な扱いとも受け止められかねないルールを課すことが差別にあたると示したことは、大きな前進です。

 

 一方で、6月にLGBT理解増進法が可決しました。もともと超党派の議員連盟で自民党を含めて合意していた法案の内容を後退させる案を自民党と公明党が提出してきたところに、維新の会と国民民主党が更に後退させる変更を加えて成立しました。LGBT理解増進法の内容についても、疑問を呈するような判決であったとも受け止められます。

 LGBTの当事者団体からは、LGBT理解増進法は、理解の増進どころか差別を助長させるものだという怒りの声があがっています。こうした声と、今回の最高裁判決は整合するように考えますので、こうした方向で国の政策をつくりあげていきます。