本日は、アメリカのNational Endowment for Democracy(NED:全米民主主義基金)のディモン・ウィルソン理事長とリン・リー副部長(アジア担当)が来日されましたので、国会議員団の一人として会談しました。



 蔓延防止等重点措置が解除され、こうした会議がface to faceで開催できるようになりました。これまでも、海外とつないでオンラインでの会議は行ってきましたが、やはり時々はリアルに会って話ができると嬉しいものです。

 

 会談では、ロシアによるウクライナへの侵略の問題への対処が第一のテーマになりました。民主主義の価値を共有するグループが結束して対処することの重要性を確認しました。具体的には、ロシアに対する経済制裁などを確実に実行することです。あたり前のことではるのですが、世界を見渡せば、残念ながらロシアに対する経済制裁を行っている国の方が少ないというのも事実です。どうやって仲間を増やすのかも大きな課題です。

 また、ウクライナへの侵略問題に関連して、国連改革もテーマになりました。安全保障理事会では、ロシアの横暴に対して、何を議決しようにもロシアが拒否権を行使するので、どうにもなりませんでした。総会で議決するという方法が取られましたが、実効性をあげていくには課題が残ります。安全保障理事会の常任理事国であるロシアが核兵器の使用をちらつかせて国際社会を恐喝するというのも、現状の国連システムの想定外のことです。

 

 中国の債務の罠の問題もテーマに上がりました。中国が経済協力と称して開発途上国にお金を貸し込んで借金漬けにしておいて、返済が滞れば、重要インフラを借金の形にして取ってしまうという問題です。国家財政は、時の政権のものではなく、国民全体のものです。借金は政権が交代しても国民が返済義務を負うことには変わりはありません。だからこそ財政民主主義が重要です。借金=財政状況=説明責任・透明性=民主主義は相互につながった概念です。

 

 全米民主主義基金は、諸外国における民主主義と民主化支援に関わるNGOなどを支援するために、議会に設立された基金です。政府の外側に設置されていることで、外交とは別のチャンネルで支援できる、すなわちアメリカとしては多層的に支援できることが特徴です。ドイツなども政府とは別のチャンネルで民主化支援を行っており、そうした制度を日本も持つべきとの意見がありました。