昨日(10月18日)は、朝から晩まで総務政策常任協議会(総務政策常任委員会の非公式会合)が開催され、公益法人や伊丹市が出資する株式会社の平成24年度決算について報告を受けました。
 
 平成24年度の公社といえば、伊丹市においてはバブル崩壊以降、含み損を抱えていた土地開発公社を解散しました。また、当初計画が破綻した土地信託事業のネオ伊丹ビルについては売却して処分しました。バブル崩壊以降の懸案事項を解決したことを高く評価すると、9月定例会の決算審査の討論で申し上げました。一方で、これまで、伊丹市がどこでなぜ間違えたのか、土地開発公社で数十億円の、ネオ伊丹ビルで十億円程度の実質的損失を発生させた原因を追究し、この教訓を後世に伝えるよう要望してきました。本日は、その報告書が提出されましたので、コメント致しました。

(1)土地開発公社
 まず、土地開発公社については、地価高騰という神話の時代から、バブル崩壊+デフレという泥沼の時代へと時代の潮流が変わったのですが、それを見極められなかったことの問題があります。地価高騰の時代には、土地開発公社のメリットがありますが、地価が下落し始めるとデメリットになります。
 どうなったら撤退するか、撤退戦略がなかったのです。古今東西、引き際というのは難しいと言われますが、難しいからこそ平素より撤退のタイミングを探っておくべきなのです。
 また、地方自治体が撤退しようにも、伊丹市土地開発公社の場合300億円もの負債を抱えており、赤字地方債を発行できない地方自治体は破綻処理しようにもできなかったのです。このように法令上の不備も問題でした。
 伊丹市としての問題を明確にするとともに、国の制度上の問題も、今後の教訓として明記するよう要望しました。

(2)ネオ伊丹ビル(土地信託事業)
 ネオ伊丹ビルの土地信託事業については、兵庫県が青野運動公苑で105億円の敗訴となり(最高裁)、大阪市はオーク200で637億円の敗訴となった(大阪地裁)ことに比べれば、伊丹市は税金投入がなかったという意味で傷は浅かったと思います。が、旧市役所の土地を土地信託を行わずに売却していたことをベースラインとした場合と比較すれば、実質的に10億円以上の損失が発生したとも言えるので、失敗だったと言えます。
 どうしてこのような失敗となったか、見通しが甘かったことに加えて、そもそものスキームが間違っていたのです。つまり、信託銀行は事業として成功してもしなくても、建物建設にかかる融資の利息で美味しいので、実質的にリスクを取ってないのです。
 商売の原則として、利益はリスクを取った人に行くようにするものです。そうでなければ、リスクを回避する努力を怠るようになるからです。
 ネオ伊丹ビルでは、リスクを伊丹市が全てかぶりました。つまり、失敗したら土地を召し上げられる、ということです。兵庫県と大阪市はそれでも足りず、更に追い銭を渡すということなった訳ですが。。。スキームとしては酷い、こんなものにアチコチの自治体が乗っかるなんて、皆さん、よっぽどお人好しでバカだったんだと思います。
 スキーム自体は違法ではなかったですが、利益相反の可能性が多分にある怪しいものでした。桜井からは、今後の教訓として何を得たのか?という質問に対して、副市長は、「スキームとして問題がありそうなものについては、やらない。過去のものについては発見次第止める」と明言しました。
 この答弁、今後の市議会の審議で引用させて頂きます。



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