本日(5月3日)は憲法記念日です。全国各地で憲法に関するイベントが開催されているようです。また、新聞紙上でも憲法に関する記事が特集されていました。

 憲法について、中学校3年のときに公民で習ったのは、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義の3本柱で構成されている、ということで、そもそも憲法とは何か、憲法と法律の違いは何か、ということは習わなかったように思います。もしかしたら習ったのかもしれませんが、習った記憶はありません。
 また、3本柱のうち、国民主権と平和主義は、そのタイトルだけでなんとなく分かります。が、基本的人権ってよく分かりませんでした。特に、「基本的人権は尊重」と言われると、基本的ではない副次的な人権は尊重されないのか?とか、いろいろなことを思ってしまい、よう分からん、と感じていたように思います。

 立憲主義とは、国家権力は憲法に縛られる、という考え方です。
 現代において、国家権力とは民主提起な選挙で選ばれていますから、基本的には国家権力=多数意見ということになります。民主政においては物事は多数決で決めることが基本ではあります。が、多数決でも決めてはいけないことがあります。
 極端な例を言えば、権力者が、ある人物は気に入らないことを言うし世間的にも評判が悪いし態度も悪いから逮捕してしまえ!ということは、あってはありません。そのようなことにならないようにするために、憲法では31条~40条に犯罪捜査に関して規定しています。そして、これらの条文に基づいて、具体的にしたものが刑事訴訟法です。

 このように、権力者が暴走しないように歯止めをかけ、謙虚に再考する機会を与えるのが憲法だと思います。そうした憲法の考え方は、人類の歴史の中ではぐくまれてきたものであり、我が国においても当然に大切にしていかなければならないと考えます。

 大阪市の橋下市長が「憲法は国家を縛るもの」と発言したと報道されていますが・・・弁護士でもある橋下市長にしてみれば、法律家としての常識を言っただけだと思います。が、それが大々的に報道されるという今の政治とマスコミの知的貧困こそが問題です。

 一方で、自民党の憲法改正草案を作成するときに重要な役割を果たした自民党国会議員 は、「憲法改正草案に対して、『立憲主義』を理解していないという意味不明の批判を頂きます。この言葉は、wikipediaにも載っていますが、学生時代の憲法講義で聴いたことがありません。昔からある学説なのでしょうか。」とtwitterでつぶやいています。この議員、東京大学法学部を卒業したそうですが・・・これほど基本的なことを勉強していない議員に憲法改正の作業を任せる自民党に驚くとともに、この議員の自らの不勉強を棚に上げて開き直ること態度に、驚きました。
 ちゃんとした教科書ならば「憲法とは」「立憲主義とは」ということで、このような考え方が記載されているはずです。立憲主義の考え方は、我が国においても明治時代からあり、伊藤博文初代内閣総理大臣(初代兵庫県知事でもある)は、立憲主義を意識して明治憲法(大日本帝国憲法)を起草したと言われています。

 国会議員たち、特に自民党と維新の国会議員が、憲法改正の議論を嬉しそうにしていますが・・・憲法とはということが分かっていない議員が憲法を改正しようとしていることに、心の底から危機感を覚えます。

 桜井自身は、現行の憲法に改正すべき条文があると考えていますが、今の立憲主義を理解していない国会議員による憲法改正の動きは、憲法改悪であり、大いに懸念するところです。
 特に、憲法96条の改正には反対です。



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