すっかり見逃していましたが、去る10月11日(木)に司法試験の予備試験の合格発表がありました。司法試験というと、一部の勉強好きの話のようにも思えますが、法の支配を実現するためには必要不可欠なテストですから、社会全体にかかわる問題でもあります。
 で、この司法試験、昔は苦学生がこもってコツコツ勉強してやっと合格・・・みたいなイメージでしたが、今はそのようなことはほとんどありません。というのも、司法試験改革の中で法科大学院を修了しなくては司法試験を受験できなくなったからです。そして、法科大学院を修了するためには、当然に多額の授業料がかかります。つまり、苦学生は(奨学金をもらうなどしない限り・・・)もはや司法試験を受けられない、というのが現代日本なのです。この問題は、以前にもブログ で指摘したところです。

 司法試験の予備試験については、これも以前ブログ で紹介しました。

 ということで、本題に入りますが・・・予備試験は今年で2回目でしたが、合格者が233人と昨年の123人からほぼ倍増しました。昨年の予備試験合格組が今年の司法試験を受験し7割近い合格率と、法科大学院終了組の2割程度に比べて際立って高かったことから、今年は予備試験の合格者数を増やしたのではないか、とも想像されます。
 優秀な学生は、法科大学院にわざわざ進学せず、予備試験ルートで法曹に行くことになるでしょう。予備試験合格で司法試験を受験できるのであれば、わざわざ高額の授業料を払って法科大学院に行く必要がないからです。そうすると、予備試験組の方が法科大学院組よりも優秀だ、という格付けがされると、法律事務所への就職活動でも予備試験組の方が有利になるでしょうから、ますます予備試験に人材が集まり・・・という循環が起きそうです。
 そうすると、予備試験の合格者がドンドン増えていき、結果的に法科大学院は無用の長物となるかもしれません。旧司法試験と何ら変わらないことになります。
 この十年の法科大学院で大騒ぎしてきたことは、何だったんでしょうか?壮大な社会実験を行い、大失敗した、ということでしょうか。壮大な社会実験をするまでもなく、当初から予想された結末ではありますが(苦笑)。



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