大阪維新の会の代表の橋下徹大阪市長が衆議院議員の議員定数を半減して240人にするという提案を行いました。昨今の世論では、議員定数を削減すると言えば、拍手喝采です。では、議員定数をどこまで削減するればよいのでしょうか?削減に削減を繰り返したとして、一体、何人まで減らせばよいのでしょうか?適正な議員定数とは何人なのでしょうか?

 大阪維新の会が過半数を握る大阪府議会では、議員定数を109人から88人にへ減らしました。議員定数を削減しましたが、半減ではありません。衆議院議員の議員定数は半減というのに、大阪府議会ではなぜ半減ではないのでしょうか?

 国会は議員内閣制を採用し、地方自治体は二元代表制を採用しています。議員内閣制の場合には、与党議員から大臣・副大臣・政務官を合わせて100名程度出しますし、それに加えて議会運営の担当も必要です。ですから、議院内閣制を採用している限り、実は議員はある程度の人数が必要です。
 一方で、地方自治体は首長(知事・市長など)と地方議会の二元代表制です。ですから、地方議員が行政各部のスタッフになることはありません。議員内閣制の場合に比べて、議員数は少なくて済みます。例えば、アメリカのように大統領制=二元代表制であれば、人口当たりの議員数は少なくて済みます。
 したがって、日本の場合、議員定数を減らしやすいのは、議院内閣制を採用している国会ではなく、二元代表制を採用している地方議会です。大阪維新の会が議員定数半減を言うのであれば、まずは大阪府議会で実践されるべきだろうと思います。
 
 桜井は、地方議会については、大きく分けて、(1)兼業前提で多数の議員=人海戦術、(2)専業前提で少数の議員=少数精鋭、があろうかと考えます。そして、地域の実状に合わせていずれかを採用すべきと考えます。現状は、専業を前提としつつ多数の議員ということで、中途半端のように感じています。
 一方で、国会については、国会議員の質にムラがあるにも拘わらず、国会議員から行政に人を出さなければならない現状において、議員定数を半減させるのは、難しいと思います。まずは、国会議員の質を向上させることが必要です。

 大阪維新の会は、国会議員定数の半減を言っていますが、そのためには質の高い候補者をそろえる必要があります。しかし、現時点では候補者を明らかにしていません。「近いうちに」総選挙が行われると言われている中、そして、遅くとも1年以内に総選挙が行われる中、候補者を明らかにできない、というのは、質の高い候補者をそろえられるのか、疑問なしとしません。

 本来、議員定数は、議会の仕事とは何か、その仕事をこなすにはどの程度のレベルの人材が何人必要なのか、ということを考えるべきです。こうした議論のない議員定数削減提案は偽物だと考えます。



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