本日(5月29日)、財務省は、今年(2026年)の4月28日~5月27日の外国為替平衡操作の実施状況を公表しました。総額だけでどのタイミングで金額規模は不明です。
ですが、ドル円の為替レートの推移をみると、4月30日に1ドル=160円台から156円台に大きく円高に振れたので、ここで介入している可能性が高いです。また、5月6日に1ドル=157円台から156円台に円高に振れたタイミングでも為替介入した可能性がある。あと、もう1回、為替介入があったかもしれません。
ただし、ゴールデンウイーク中は最大で3回でしょう。なぜなら、 IMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)による「自由変動相場制(free floating arrangements)」の定義によれば、為替介入を行わず為替市場によって決定される相場制。ただし、為替市場が異常なときに6ヶ月間で最大3日までの為替介入であれば許容される、というものです。
As noted, once a de facto exchange rate arrangement has been identified as floating, it can be further qualified as free floating if there has been no intervention over the past six months, with the exception of limited intervention to address disorderly market conditions.
(注)The definition allows for 3 instances of intervention, each lasting no more than 3 business days. Normally, disorderly market conditions last for only 1 or 2 days.
基軸通貨に準じる位置づけを維持するためには、自由変動相場制の分類でありつづける方が好ましく、わざわざ6ヶ月に3回の定義を超えることはしないと考えられます。
さて、ゴールデンウイーク中に約12兆円を投じて為替介入をやったにも拘わらず、翌週には1ドル=158円台になっているので、規模の割に効果が薄かったといわざるをえません。
石油や天然ガスなどの輸入業者は恒常的に円を売ってドルを買う必要があります。なるべく円が高いときに円売りしたいでしょう。そうなると、ドル売り円買いの為替介入のタイミングは絶好の機会です。財務大臣は「外出の時もお休みの時もスマホを離さずに」と発言されているので、輸入業者はこの機を逃さないでしょう。
1ドル=160円を超えると、日本政府は為替介入する手の内が見えてしまうと、投機筋(個人を含む)は、為替介入があったタイミングで高くなった円を売ってドルを買う、翌週に円が安くなったところで買ったドルを売って円を買う、という一連の動きをするかもしれません。そうすると、1週間で2%ぐらいの儲けを出せるかもしれません。つまり、日本政府の必死の為替介入は投機筋の利益になったかもしれません。
国民生活を圧迫する物価高の原因である悪い円安、いきすぎた円安を是正するには、10兆円の為替介入では1週間程度の効果しかないといことです。根本的な治療は、日本経済の立て直しです。何をどう立て直すかは、桜井シュウに任せていただきたかったです。



