読んでいただいている方に、出来れば理解して読んでいただきたいので、やっぱり回想から先に書いていきたいと思います。

私が姑を毛嫌いするきっかけになったのは、夫の実家での里帰り生活でした。

 

その①で書いたように、とにかく寒くてたまらない家での生活が始まった。

隙間風はのれんを揺らしてビュービュー吹いているし、畳の隙間からは冷気が吹き上げるし、開けたら閉めない姑はもちろん色々な窓やドアを開けっ放しにしてくるし。

私は勝手に着込むけど、とにかく新生児の赤ちゃんが心配。

するともちろん姑が出てくる。

姑は子供二人、孫二人を育て上げ、うちの子で五人目の子育てのベテランだから何でも聞けと周りが持ち上げるし、鼻高々で私の育児に意見をしてくる。

産院でそう言われたからなど通じない。自分は子育てのベテランだから自分の言う事を聞けばいいと、がんがん持論を押し付けてくる。

 

また、私は、やっと授かった妊娠であったうえに、夫の妹が昔、臨月で首にへその緒が巻き付いて子供を亡くしている経験があると姑から散々聞かされていたので(妊婦にこんな話する??)、万が一生まれなかったらと思うと怖くて怖くて、妊娠中に育児書などが一切読めなかった。

だから、私は一切の無知、ネットも通じない夫の実家で、姑から聞かされる育児論が唯一の情報なので、半信半疑でも従わざるを得なかった。

 

新婚時代に、夫から「姑ほど賢い姑はいない。姑は、100%正しい事しかしない。こんな姑ばかりだったら、世の中の嫁姑問題は無くなるのに。世の中の姑は、馬鹿ばかりだからあんな問題が起きるんだ。」と聞かされていた。

まさか私も、100%正しい事しかした事のない人間が世の中にいるとは思いはしない。

でも、夫の母親への強い愛情を感じ、それぐらい素晴らしい人だから夫が慕うのかと思っていた。

だから、夫の実家に里帰りする事を私が希望した。

 

夫の実家は、私の提案を快く受け入れ、私はこの里帰りに何も問題がないと思っていた。

外面からそこまでの内面は、さすがの私にも見抜けなかった。

 

そういえば結婚前の家族の顔合わせの時だったと思うが、舅がおもしろおかしく、「自分が定年退職するまで姑が好き嫌いが多いとは知らなかった。特に魚が嫌いとは知らなかった。」と言っていたことがある。

姑は夕食に肉と魚と両方出し、自分はお腹がいっぱいになったからと魚を残し、翌日、自分が残した魚を舅に一品付けて出していたらしい。

だから気づかなかった、と、それを姑の賢さを自慢する話として舅は話していた。

私は何気なく聞いていた話だが、帰宅後、母が「あんな自慢話ばかりする家に嫁いでいいの?あんな嘘つきの家でいいの?」と聞いてきた事が忘れられない。

他人の悪口など滅多にしない母がそんな事を言うのが不思議だった。

そして、私には全く見えていなかったが、母が言う通りの家だった。

 

夫から、姑は100%正しい事しかしない人だからとレッテルを貼られた里帰り生活が始まり、姑は最高の地位からは落ちるしかなかった。