中学の教科書を基本とする | 最適性理論(音のストリーム)で英語を覚える

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池田和弘が日経ビジネスオンライで次のように言っています。

 

ここで重要になってくるのが、実は中学校の教科書の「文法的な作り」なのです。中学の教科書は、ワンステップずつ段階的に文法を理解できるように作られています。これはごく単純にいうと、やさしい英文から複雑な英文へと段階的に難度が上がるようになっているということです。もちろん、これは文法を重視した教え方のための仕組みなのですが、発想を変えることで、全く異なる使い方ができるのです。それが、「音声と意味」に焦点を当てた教え方です。

 

このあたりは理屈を言い出すとかなり複雑になりますので、サクッと説明します。これまでのように、文字を学び、文法を学んで、さらに問題演習をすると多くの時間がかかります。それがゆえに、教科書は1年間かけて教えられるわけです。しかし、文法をいったん脇におき、音と意味に焦点を当てた学習をするとどうなるでしょうか。音声は情報量が軽く、文字よりもはるかにインプットしやすいので、中学の教科書1冊分程度であれば、全部トレーニングしたところでそれほど時間はかかりません。

 

中学の教科書は、ワンステップずつ段階的に複雑になるように作り込まれていますので、これを使って高速で学ぶと、多量の情報が無理のない形で整理され、蓄積されていくことになります。もちろん文法に関する情報もです。たとえば、1年分の教科書を3カ月で終了すると、事実上1年分の文法が、取りあえずは、頭の中に入るわけです。

 

もちろん、音声インプットだけではあやふやなところも出て来ますので、文字でのフォローも必要です。しかし、意味をつかみ、音声をインプットし、文字でのフォローまでをかけると、文法解説はごくわずかで済むことに成ります。たとえば、「be動詞と一般動詞は一緒に使えない」と言った解説は不要です。なぜなら、たとえ1~3年分の教科書をすべて学習しても、この二つの動詞が同時に使われる例は「無い」からです。また、「There構文が使われるのは新情報のときだ」などという説明も不要になります。これも、そういった解説をしなくても、きちんとそういうコンテクスト(背景情報)の中でThere構文が出てくるからです。その他、語順などの説明が不要もなります。これは、容易に想像がつきますね。

 

受信文法

この点は、私が提唱する「受信文法」の考え方と密接に関連するところです。これまでは、文法の役割が明確ではありませんでした。つまり、「発信」のためなのか、「受信」のためなのかがあやふやでした。それが、そのまま何となく英作文のために必要、あるいは文法・語法問題のために必要とされ、今日まで教えられてきたのです。5ラウンド制はこの問題について、一定の答えを出したと言えるでしょう。

 

私自身も、これまで細かい文法解説を行ったことがありませんが、それでも長文が読めるようになりますし、文法・語法問題も解けるようになります。また、文法なしに、たったの1カ月半で、中国語で映画について話すことができるようになる教材を設計・製作したこともあります。これは英語版も作られ、イードアワードという賞を2年連続で獲得しています。その発展版が「スピークエッセンス」という教材です。私たちはどうしても文法を通して英語をとらえがちですが、この会話教材で学ぶと、「文法の無い世界」が本当にあること、また、文法を使わない方が、自然に会話ができるという点を実体験することができます。

 

池田氏は受信文法で教えています。文法の一種です。そして次のようにも言っています。

 

最後に、私がつねにしつこくしつこくテキストを復習している点に注意。英語を使う機会の少ないフツ~の人(日本人のほとんど)にとっては復習は必須である。繰り返し繰り返し、しつこく、しつこく、何度も何度も、徹底的にねちっこく、英語を聞き、そして声を出して読む。これが短期上達の最大の秘訣である。

私は何度も何度も、徹底的にねちっこく、英語を聞きと言う部分が一番英語学習の本質に近いと思っています。

 

池田氏は反復練習が効果的だと言っておきながら、文法で教えるのは矛盾です。ではどちらが正しいかと言えば、しつこく、何度も何度も、徹底的にねちっこく、英語を聞き、そして声を出して読む方が事実ですから、正解に近いのです。