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京仏師 櫻井覺山のブログ

日々の作業風景や作品を公開していきます。
仏像の説明などを含めて、仏像の製作工程等も。
「ほとけさん」を身近なものに感じていただけたら嬉しいです^^

  
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勢至菩薩荒彫り工程

観音像の修復が中盤に差し掛かり、シルエットが明確になったところでシンメトリーの様を成す勢至菩薩像の制作に取り掛かります。

御衣等は本来全く同じに身に着けることが多いのですが、拝された方にも楽しんでいただけるよう、少しだけ意匠を変えました。




同時進行で観音菩薩の修理も進めてまいります。


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観音菩薩修理工程完成

後世の修理で作りかえられ、印相が分からなくなってしまっていた御像も、少し前かがみの姿勢から推測して来迎の形に新補いたしました。

髪の毛も近い時代のものを参考に制作。



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観音菩薩解体後


金箔、漆を剥がし、解体した状態がこちら。


平安時代以降、この様にバラバラの小材を矧ぎ合わせて制作する寄木造という技法が多く用いられました。

分業ができることや、一木造りだと体積が大きく、乾燥しにくく、寄木にして体積を減らすことで木の「動く力」を緩和するためなどが理由です。


この御像は髪の毛、両腕、右足先、左肩、左天衣が後世の修理によって造りかえられておりました。


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観音菩薩仮組み


使えるところはそのままにし、形に狂いが生じている場所は新しく造り変えます。

今回は髪の毛、両腕と、足先を主に造り変えることになりました。


仏像の修復は主に二種類あります。


一つは現代まで伝えられてきた形を尊重し、漆や金箔の剥落をとめ、欠けたり折れたりしている箇所を御直しし、後世に施された粗悪な修理を除去し、その箇所を新しく造り、古い色そのままに、修復した場所にも古色を施す

現状維持修復と呼ばれる方法。


もう一つは漆箔層をすべて除去し、解体して後補箇所も新しく造り、

漆、金箔も総て押し直し、彩色を施し、まるで新しく造ったかのように修理する

復元新調修復と呼ばれる方法。


お寺さんや檀家さん方と相談の結果、今回は復元新調修復を行うことになりました。


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観音菩薩 修理中(1)

湿布を置き、少しずつ竹べらやメスなどで漆の下地を湿らせ、

接着剤である膠を緩ませながらはがしていきます。



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勢至菩薩像仮組み


並行して勢至菩薩像の製作も始りました。

木曽ヒノキで大まかに木取りした材をと、

安置する場所の高さを考慮し、設計した台座を仮組みしてご本尊とのバランスを再確認します。



つづく。