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京仏師 櫻井覺山のブログ

日々の作業風景や作品を公開していきます。
仏像の説明などを含めて、仏像の製作工程等も。
「ほとけさん」を身近なものに感じていただけたら嬉しいです^^

仏像の工房において仏像がどのように製作されていくか。

 また、お寺に伝えられてきた仏像をどのように修復していくか・・・。


先日ご縁を頂いた柳泉寺様の観音菩薩像の御修復。

そして勢至菩薩像の新調制作を例に、そのようなことを少しご紹介していければと思います。


昨年、ご本尊の裏でひっそりと何年も拝まれてこられた観音様が修理のためにおいでになりました。


江戸時代後期の作で大きさは五十センチ弱。

瞳には水晶を内側からはめ込む玉眼という技法が施されておりましたが、何か違和感・・・。


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観音菩薩像(修理前)


 後世に施された分厚い漆箔層により彫刻が埋まり、それらが剥がれ始め、

そして御像の接着箇所の膠(接着剤)が接着力をなくし、その御像に作られた為ではない台座後背により荘厳されていた為でした。


光背は一回り小さなものを小材により釘で高さを合わせて打ち付け、台座は途中でなくなっている。。。


腕や持ち物、天衣の回り方にもおかしい箇所があり、

「このままでは…あまりにもかわいそう・・・」

ということで修復が施されることになりました。


柳泉寺様は浄土宗のお寺様。


これまでは阿弥陀如来像を独尊としてお祀りされてきました

 修復をほど施すのに併せ、お寺はもとより、檀家様方の願いであった阿弥陀三尊像としてお迎えしたいということで、阿弥陀如来像の脇侍である観音さまに、新しくもう一躯の脇侍である勢至菩薩様の制作をご依頼いただきました。


つづく。



東日本大震災から一年たった今年の三月十一日。

BONZEクラブ代表 杉若恵亮(法華寺御住職)の指揮の下、

宮城県亘理郡山元町の地元公民館にて復興と祈りをテーマとしたイベントが行われました。

杉若和尚は震災発生直後から京都からボランティアの意思のある若者を多く連れて被災地に幾度も足を運び、活動を続けてこられました。


「地元の小学校、中学校に祈りの心の対象となるような・・・」

住職からのそんな言葉に、自分が予てよりさせていただいている、わらべ地蔵さんを奉納させていただく意思を申し上げました。
現地で多くの方々にご縁を結んでいただき、造仏にあたる為、現地の方々にイベントにて直接 鑿を入れていただきました。
(諸事情の為、私自身は参加できませんでした・・・)


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昨年、取材いただいたNHK,新日本風土記[仏像の京都]のポスターと共に現地に運ばれ、

[わらべ地蔵ノミ入れコーナー]

として厳粛なものにはせず、温かい気持ちで鑿を握ってもらえるようにいたしました。

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被災され、身内の多くをなくされた悲しみや辛さ乗り越えて

[強く生きていく]

という気持ち。


簡単な言葉では表しきれないような思い。

京都に帰ってきたその材に残された多くの鑿痕は力強く語ってくれました。
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台座部分に鑿を入れてくださった全ての方々の名前を納入するため、

小学生のお子達からご年配の方々まで百名を超える署名をお預かりしました。


昨年一年、震災以後、自分自身にできる活動は?


仏師としてやることが一番?

一人の人間として??

なにができるか・・・多くのことを考え、模索してきた結果自分自身として一番温かく、人の気持ちに近い活動に落ち着けたと思います。

ご縁を頂きご協力頂いた多くの方々に感謝し、以前より行なっております、わらべ地蔵奉納に加え、
今回の少し大きいわらべ地蔵制作へと、邁進して行きたく思います。


京仏師 櫻井覺山のブログ 撮影 写真家 たかはしじゅんいち

今日。わらべ地蔵奉納発願から一年です。
既に三十躯近い数を作らせていただき、被災された様々な場所で微笑んでいらっしゃいます。

今頃どうしてるんだろう・・・こう思えること自体、大きな喜びを感じる日々です。


合掌   京仏師 櫻井覺山 



今年の三月、NHKさんに取材いただいた[わらべ地蔵奉納]の映像が

NHKさんの

[明日へ]の特集ページの中にて現在も見ることができます。(一番下の段の向かって右側)
興味のおありの方は是非ご覧ください。

全国から被災地へhttp://www.nhk.or.jp/ashita/oneyear/from01/index.html


桜井仏像彫刻工房WEBサイト
http://kyoubussi.com/


(写真の無断複製、転載等、ご遠慮下さい。)
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