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京仏師 櫻井覺山のブログ

日々の作業風景や作品を公開していきます。
仏像の説明などを含めて、仏像の製作工程等も。
「ほとけさん」を身近なものに感じていただけたら嬉しいです^^


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千手観音坐像 像高15㎝
光背を含む総高30㎝ 木曽檜材


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衆生の近くまで救いの手を差し伸べてくださるよう、

元来の放射状に横に広がった脇手ではなく、

少し前に差し出すように表現しました。



手は全部で四十二本あり、胸前で合掌する二本の手を除いた

四十本の手が、それぞれ25の世界を救うもの、

「25×40=1,000」であるといわれており、

其々の手には千手観音の力をわかりやすく表すために持ち物があらわされています。


仏像は時に思いを伝えるタイムカプセルの役割も果たします。

本躯、胎内は空洞になっており、願主様の願文が納入されます。

数百年先の人たちへの深い思いを込めて納入されました。
 



将来、この観音様に修復者の手がかかった時に、

初めて開かれるメッセージ。

お返事がもらえないのは少しさみしいですが(笑)


合掌   覺山 



櫻井佛像彫刻工房WEBサイト
http://kyoubussi.com/


(写真の無断複製、転載等、ご遠慮下さい。)
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観音、勢至両菩薩像が完成いたしました。


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左 勢至菩薩                     右 観音菩薩

修理を終えた観音菩薩像と新しく造らせて頂いた
勢至菩薩像。

観音さんはやや厳しい表情で表わされていたので、対する勢至さんは少し穏やかに感じてもらえるように造らせていただきました。

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左 勢至菩薩           右 観音菩薩

全体の統率を図りながら、
其々の御像に表情を与えるように工夫を凝らしています。


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勢至菩薩像

漆は角をころすことなく、必要最低限の厚みで、
表情も変わらず。

箔押師さんの金色を最大限に引き出す丁寧な箔。

金具師、彩色、総ての職人さんのプロフェッショナルの技。

木地仕上とはまた違う、金色ならではの美しさは阿弥陀来迎の煌びやかさを体感させてくれます。


仏像を御迎えするにあたって、存在を忘れられがちな後職さんのお仕事ですが、それらの方々なくしては御迎えできない。


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総ての工程を終え、阿弥陀様のもとへ。
経机により台座下半分が隠れ、三尊のバランスが整います。

開眼法要がいとなまれ、新たに命が吹き込まれました。

この先、数百年間、檀家さんたちと共に・・・。





いかがでしたでしょうか?
永年にわたって御祀りされてきた仏様がどのように修復され、
次代に引き継がれていくか。
少しでも感じていただけましたか?


今回は新調修復とよばれる修理法を新規制作と並行して連載しましたが、
修復法にはまだ、現状維持修復などいろいろあり、当工房でも施工しておりますので、おりを見てご紹介させて頂きます。



今回の連載にあたり、掲載を快諾いただいた柳泉寺様に改めて感謝申し上げます。

覺山拝





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下地を施し、漆が塗られていきます。

完成すると金色一色になる像も、この様に黒漆が塗られています。


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こちらは台座。

一見するとなんてことはないように見えますが、ムラや刷毛痕、埃節もなく、必要なところには角を立たせた大変丁寧な塗り。

その後、箔押し師さんの工房にて・・・

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研ぎ澄まされた御像はさらに箔押し漆が塗られ、金箔を貼っていきます。


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箔押し漆の濃さや拭うタイミング、少しの違いで箔の色は変化します。

今回は最上級の五毛箔を使用しました。
金の純度が高いため、扱いにも注意が必要です・・・。



この後、髪や唇、眉などの彩色を施し、いよいよ完成となります。

このように京都では職人さんたちとの連係プレイによって一つの仏像が迎えられます。

一つ一つの工程のプロフェッショナルだからこそなせる技がここにあります。

そのような方々にお力添えを頂いて出来るお仕事。

本当にありがたいです。。。