あまり梅田近辺は馴染みがないのですが、今回はお初天神を。

お初天神は通称で、正式には露天神社(つゆのてんじんしゃ)、大阪市北区曽根崎二丁目にある神社です。JR大阪駅・各線梅田駅からほど近い場所にあり、「曽根崎心中」で有名な神社への参拝道は、「曽根崎お初天神通り商店街」となり、何十年も続く老舗レストランから若者に人気の居酒屋、オシャレスポットまで、100店舗以上のお店で賑わっています。

お初天神の名は、次のような経緯で呼ばれるようになりました。1703年に堂島新地の天満屋の遊女「お初」と内本町平野屋の手代「徳兵衛」が「天神の森(現在の社の裏手)」にて心中を遂げました。1か月後、近松門左衛門はこの2人の悲恋を人形浄瑠璃『曽根崎心中』として発表したところ、当時の大きな話題となりました。事件の神社は一躍有名となり、そのヒロインである「お初」の名前から以後今日に至るまで「お初天神」と通称されています。曽根崎心中の中では「三十三に御身を変へ、色で導き情けで教へ、恋を菩提の橋となし、渡して観世音、誓ひは妙に有難し」とお妙の名と観音信仰(明治以前は神仏習合が常態であった)をかけています。なお「お初」は天満屋での呼び名であり、墓所(慰霊碑)に記された久成寺(大阪市中央区中寺)での戒名は妙力信女であることから「お妙」などが推測されます。

この物語の舞台となったことから、その悲恋の物語や文学的な価値から、恋人たちの特別な場所として認識され、恋人の聖地として登録されました。この地は、多くの人々にとってロマンチックであり、愛の成就や幸せを祈る場所として今に至ります。