飛鳥寺(あすかでら)は、奈良県明日香村飛鳥にある真言宗豊山派の寺院です。山号は鳥形山(とりがたやま)、本尊は「飛鳥大仏」と通称される釈迦如来。現在は正式には安居院といいます。
開基(創立者)は蘇我馬子で、蘇我氏の氏寺である法興寺(仏法が興隆する寺の意)の後身にあたります。思惟殿は新西国三十三箇所第9番札所で本尊は聖観音です。

飛鳥寺には複数の呼称があります。法号は「法興寺」または「元興寺」(がんごうじ)であり、平城遷都とともに今の奈良市に移った寺は「元興寺」と称しました。一方、蘇我馬子が建立した法興寺中金堂跡に今も残る飛鳥寺の公称は「安居院」(あんごいん)です。なお、国の史跡の指定名称は「飛鳥寺跡」です。 

596年、仏教を保護した蘇我馬子の発願により日本初の本格的寺院として完成しました。三金堂が塔を囲む大寺で、法興寺 元興寺とも呼ばれました。平城遷都に伴い奈良の地に新たに元興寺が建立されて以後は、本元興寺と呼ばれました。鎌倉時代に伽藍の大半を焼失しました。現在の本堂は江戸時代に再建されたものです。

本尊の銅造釈迦如来坐像(重要文化財)は創建時、飛鳥時代の作で日本最古の仏像です。飛鳥大仏の名で親しまれています。寺の西側には蘇我入鹿の首塚と呼ばれる五輪塔が残っています。境内に山部赤人の歌碑があります。