元興寺(がんごうじ)は、奈良市にある寺院で、南都七大寺の一つになります。 

蘇我馬子が飛鳥に建立した日本最古の本格的仏教寺院である法興寺(飛鳥寺)が、平城京遷都に伴って平城京内に移転した寺院です。奈良時代には近隣の東大寺、興福寺と並ぶ大寺院でしたが、中世以降次第に衰退し、現在、次の3寺院が分立しました。 

世界文化遺産「古都奈良の文化財」は8資産群からなっていますが、その中に元興寺の史跡元興寺極楽坊境内という狭い空間の、旧僧坊遺構である国宝極楽堂(極楽坊本堂)と国宝禅室(極楽坊禅室)が登録されています。また、東門は重要文化財に登録されています。この寺は、我が国最初の本格的伽藍である飛鳥寺(法興寺)が平城遷都により新築移建された官大寺たる元興寺の極一部にすぎません。かつて平城京の東部外京に、興福寺と南北に接した大伽藍は、たび重なる罹災により姿を消し、この一画と史跡元興寺塔跡、史跡小塔院跡、そして寺に由来する奈良町の町名にかろうじて記録される程度となってしまいました。 

元興寺の所有する建造物、仏像の多くは文化財として指定を受けています。 

奈良町の一角にあり、往時の隆盛を感じさせてくれます。