光源院(こうげんいん )は、臨済宗相国寺派大本山相国寺の塔頭寺院で、相国寺二十八世元容和尚の塔所で、1421年に創建され、広徳軒と称しました。師は二世普明国師に法を嗣ぎ、同年8月12日入寺、1425年3月17日示寂。1565年足利義輝が死去してその菩提寺となり、義輝の院号により光源院と改称しました。
もとの光源院は現今の東にあり、天明の火災を免れますが、1885年その建物を毀ち、1896年善應院に合併し、善應院を廃して光源院と改めました。
1988年には本堂、庫裡を改修し、新粧なった本堂の仏間十二面の襖には日展特選作家、水田慶泉画伯が構想を練って、約半年がかりで描き上げた禅宗寺院にも珍しい干支を配した襖絵が描かれています。
2024年京の冬の旅では、~色彩豊かな十二支の襖絵と昔話の潜む襖絵~というサブタイトルで特別公開をおこなっています。「京の冬の旅」では初公開になります。
明治期の廃仏毀釈の折に移築された行者堂には、修験道の祖・神變大菩薩(じんぺんだいぼさつ)(役行者)像と弘法大師像、不動明王像が新たに安置されています。冬の旅では行者堂の中も見学できました。
本堂の室中の襖絵12面は、日本画家・水田慶泉が十二支を描いたもので、襖絵の中から十二支を探したり、十二支の庭のどの石がどの干支を表しているのかを探したり、大人から子どもまで楽しむことができます。また、2021年に画家・加藤晋が奉納した襖絵には、「桃太郎」「笠地蔵」など日本の昔話や「西遊記」などの登場人物を潜ませています。あらゆるものが仏性を持つという「草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)」の世界を表している色彩豊かな襖絵も印象に残りました。
通常非公開なのがもったいないような気がしました。