吉祥院天満宮(きっしょういんてんまんぐう)は、南区吉祥院政所町にある神社です。由来によると北野天満宮より早い934年に創建された最初の天満宮です。菅原家が信仰する吉祥天を祀る吉祥院を邸内に建立し氏寺としており、菅原道真公生誕の地と言われています。(生誕の地には異説もあります。)
菅原道真の曽祖父・土師古人(はぜのふるひと)が平安遷都に際し桓武天皇の供として入京したときに賜った地で、ここに邸を構えました。祖父・菅原清公の代で菅原姓へ改姓する。清公が遣唐使として唐へ向かう途上(もしくは帰国時)、嵐に遭遇しながらも吉祥天女の霊験により難を逃れたとされ、以降菅原家では吉祥天を信仰するようになりました。帰国後の清公もしくは道真の父・菅原是善が、この地にあった自邸内に吉祥天を祀る堂・吉祥院を建立しました。また、吉祥天の開眼供養は最澄が行ったといわれています。この「吉祥院」が当地の地名の由来ともなっています。
菅原道真はこの地で845年に誕生し、18歳で転居するまでこの地で過ごしたといわれています。903年に道真が大宰府の地で没した後、大和国の吉野・金峯山で修行中の日蔵上人が道真の霊から誓願を受け、朱雀天皇に奏上し、天皇はその怨霊鎮魂のために、勅願によって934年にこの地に吉祥院聖廟と社殿を建立し、道真の霊を祀りました。これがこの神社の始まりです。そのことから北野天満宮よりも創建が古い、日本最初の天満宮であると言えます。
1590年には豊臣秀吉に社領を没収され、明治時代になり、廃仏毀釈が行われる中でも吉祥天像と吉祥院は守られ、現在も神仏習合の仏堂建築のまま存在しています。神仏習合の名残として重要無形民俗文化財の吉祥院六斎念仏が春季大祭と夏季大祭に行われています。
主祭神は、菅原道真公です。
前回の六孫王神社同様、2011年1月の十六社巡りで初めて訪れた神社です。寺社を中心とする京都市街の観光名称としては南西の端に位置するような場所でした。市バスの西大路九条、JR西大路駅からのアクセスになります。