これぞ最高の一冊という本に出会いました。
「県庁おもてなし課」 有川浩 著
確実に面白いだろうという自分の期待を全く裏切らないおもしろさでした。
有川さんの作品は映画化された「阪急電車」から読み始め、植物図鑑、ストーリー・セラー、3匹のおっさんなど、テンポの良い文体と人物の感情を丁寧に描いた作風がとても良いです。
この「県庁おもてなし課」は高知県の県庁を舞台にしています。
物語は今から20年前の「パンダ誘致論」から始まります。
保守的な県庁の人間の中で革新的な意見をもっていた「パンダ誘致論」者。彼は当然のように県庁からつまはじきにされます。
それから20年。過疎化する高知県に「おもてなし課」という名前の課ができます。
彼らは名前はだけは革新的ではあるけれど発想はどこまでいっても「公務員」
それを民間の視点をもつ作家・吉門がアドバイスすることによって少しずつ変わっていきます。さらに冒頭に登場した「パンダ誘致論者」きよとおさんの協力でおもてなし課はどんな風にかわっていくのでしょうか。
この小説は、ほんとにいろんなことを教えてくれます。
公務員的思考ではないけれど、保守的で、「民間人」の感覚を忘れてしまう瞬間は誰にでもあります。
「カーナビ」はどの車にも設置されていて当たり前と思っていませんか?
高知県がかかえる、「イナカの未来」はどの地域でも課題です。
駅から遠いことは(便利でないことは)ほんとうにデメリットばかりでしょうか?
おもてなし課が、自らの力で考え出した高知県のキャッチコピーは、実在するようです。
ネタバレ
http://mocotyan.seesaa.net/article/147973277.html
自分もおもてなし課の掛水くんのように成長していきたいと思えました。
きよとおさんのデタラメな説得力、吉門さんの戦略、多紀ちゃんの細やかさ、下元課長の穏和さ、などこの小説には、お手本にしたい魅力的な登場人物がいっぱいいます。
けんど、光はある… 高知に行きたいと素直に思える一冊です。