司法書士とクレサラ問題の歴史 | まっしーの司法書士的その他もろもろブログ

現在司法書士は、司法書士試験合格後に受ける簡裁訴訟代理認定試験に受かれば、簡易裁判所での代理権のある司法書士になれます。


この簡裁代理権は新人の司法書士にとっては当然の権利に思われるでしょうが、そうではありません。


そこには司法書士とクレサラ問題が関わっています。


登記が専門である司法書士になぜ裁判代理権である簡裁代理権が付与されたのでしょうか。


司法書士に簡裁代理権が与えられたのは平成15年ですから、今から10年程前のことですが、司法書士には代理権がありませんでした。

その頃の債務整理は、司法書士が行う場合、今とは比べものにならないほど苦労したそうです。


今では、債務整理を受任して、債権者に対して受任通知を送ればすぐに取り立ては止まりますが、簡裁代理権付与前は、受任通知を送っても取り立てはとまらず、逆に債権者からは「何の権限で債務整理を行っているのか、非弁行為ではないか」と詰め寄られたのです。


当時の債務整理は、今の過払いビジネスとは違い、苦労だらけの全くもうからない仕事でした。

しかし、借金に困っている人を救いたいとの思いから、先輩司法書士の先生方はボランティア精神によって、クレサラ問題に取り組み続けました。

そうした先輩司法書士の十数年の努力の結果、司法書士も第四の法曹と徐々に認められるようになり、簡裁代理権の付与に至ったのです。


しかし、平成19年の貸金業法改正等により、過払い金返還請求が誰にも容易にできるようになり、ブームに乗った司法書士が一時的にもうける結果となりました。

そして、利息制限法、出資法の改正により過払い金という概念が近いうちになくなり、消費者金融の経営悪化もあって、債務整理は再びもうからないビジネスになろうとしています。

だからといって債務整理にもう司法書士が関わらなくなっていいのでしょうか。


現在の司法書士が関わる簡裁代理権のほとんどは過払い金返還請求訴訟です。

上記のように、先輩司法書士の苦労によって得た簡裁代理権をこれからどう生かしていくかは、私たち新人司法書士にかかっています。