タイトル 女帝メリー喜多川

著者 小菅 宏(こすが ひろし)

出版社 青志社

出版年 2022年4月

 

内容・所感 著者は集英社の週刊セブンティーン記者として ジャニーズ事務所の担当となる。その中でメリー喜多川と関わりをもつようになり その時に感じた印象などを綴った本。おそらくSMAP問題があり 出版の好機として書かれたのではないかと思う。

この本は「未成年者への性加害問題」が表ざた(BBCでの放送)以前のもの。なので今読むとなんとも歯切れの悪さは目立つ。

作中に文春との裁判の事や独立した時に暴露するとどうなるかというようなことは出てくるがほんの一行に過ぎない取り上げ方。

実際読むと著者はメリーから嫌われた存在といい 迎合するようなことはしていなかったというが そこはやはり「ぶんや」としての記事欲しさも。性加害については著者が知っていたのかどうかはもちろ書かれていない。でも読んだ限りではかなり近しい存在だったので知らなかったと主張するのなら「ホントか?」と思ってしまう。とにかくメリーは「うちの子」大事。そしてひとたびそこから出たものへの無視・仕返しも執念深い。

そこについては メリーの過去にアメリカでの生活の中での虐げられなどが影響していると分析。そして フォーリーブスの後 たのきんが出てくるまでの事務所の経営の苦しさもメリーの事務所経営の方針を決定づけていると。

 

メリーの生い立ちをもっと詳しく記述しているのかと思ったがそこは娘(景子)からの訴えを危惧したのか?

苦しい時の資金源としての藤島氏とのつながりなどがもっと掘り下げていてもと思うが ほとんど書いてなかった。

 

著書中に「うちの子」が何回出てきたことか。そういう意味ではそれがメリーの「人となり」であるのだろう。