タイトル きみのお金は誰のため ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」

著者 田内 学

出版社 東洋経済新報社

出版年 2023年10月

 

内容・所感 EXITのりんたろーさんが出演しているお金にまつわるYOUTUBEチャンネルに出演していたので知った本。大人向けというより 中高生向けに書かれている いわゆるハウツー本では無く 小説にもなっている。

 

中学二年生の佐久間優斗。両親は商店街でとんかつ屋を営んでおり 高校三年の兄もいる。

優斗はある雨の日 高い塀に囲まれた怪しげな屋敷の近くを通っている時に この屋敷を訪問しようとしていた久能七海という女性を道案内することになる。丁度雨足が強くなり優斗も一緒にこの屋敷に入ることに。七海はここで勉強するようにと上司から言いつかって来たのだった。優斗も成り行きで一緒にボスの話を聞くことに。そこでの話は「お金の謎」 「格差の謎」 「社会の謎」だった。お茶とお菓子を食べながら ボスから一つ一つ講義を受けることに。それは 複数回におよんだ。

ボスは 実は七海が生まれてすぐに分かれた実の父親だった。死期近いとさとり 七海に残したいと講義をすることに。

また 優斗のとんかつ屋もかって ボスが大変な時に面倒をみてくれたお店だったのだった。

 

講義は お金自体には価値がない お金で解決できる問題はない みんなでお金を貯めても意味が無い ということからスタート。

お金の仕組みや流れ それによって出来る社会の仕組みについて 優斗の目線で話がすすむ。

この本では 富を得たものが 社会への再配分という形で循環しているとしている。その考えに基づいて大学生になった優斗はこの残された屋敷を使ってシェアハウスを運営する側にまわっている。

そして 社会のしくみ お金のしくみを語る時に「人」を重要視しているように感じた。お金だけがあっても ただの紙切れになってしまう。「人」が何らかの動きをして 私たちは「食べる」「住む」「移動する」などなど出来ている。

ただ 今の世の中そのことが大事されているだろうかなあとは思ってしまった。