タイトル 芸人迷子

著者 ユウキロック

出版社 扶桑社

出版年 2016年12月

 

内容 お笑いコンビ「ハリガネロック」のひとり。同期に中川家 陣内智則などがいる。同じく同期のケンドーコバヤシとNSC在学中に「松口ブイエス小林」というコンビを結成。コバヤシのキャラもあり頭角を現すが2年の活動をへて1995年に解散。その後友人であった大上と「ハリガネロック」を結成。数々のお笑いグランプリで優秀な成績を収めるコンビとなる。第一回M-1グランプリでは中川家とともに決勝のファイナルに進出。しかし圧倒的な差で優勝を逃した。この時の悔しさをバネに賞レースで受けること、M-1グランプリへの執念を燃やす。結果的には次々出てくる優勝者との差に打ちのめされていく。相方である大上との意思疎通も上手くいかなくなり 20年たち解散を決意。ユウキの中では相方からアプローチが無いことが不満だった。1年の猶予を自分の中だけで決めこの間に何も無かったらと区切りをつけることに。結果何もなく最後の日を迎えた。解散後は お笑いの講師の仕事を主に活動している。

 

所感 有料メールマガジンに連載掲載したものを再構成 大幅な加筆修正したもの。なので年代順のエピソードになっているがその前振りとしての話が章ごとに時代をさかのぼっているため 「あれ?」ってなる面もあった。

最近芸人さんのバックボーンに興味があり 色々なエッセイ―や小説を読んできた。今回は解散したコンビのことが知りたくなり手にした本。正直「ハリガネロック」さんもユウキロックさんも映像で思い浮かんではいないのですが。

もちろんこれはユウキロックさんから見たコンビの話であり相方 もしくは本にも登場するマネージャーさんから見たらまた別の視点はあると思う。

別の芸人さんの話にもあったが劇場のシステムって不思議だなと外野からは思う。それと支配人の権力が絶対なのだなと。会社も商売だし 支配人も会社員としての実力主義もあるとは思うが。でも最後 解散時にわざわざNGKに呼んでくれたのはかっての支配人で そういうところは人情もあるんだろうとは思う。

とにかく面白いネタづくりに一生懸命。ストイック。客が笑うのはどうしたらいいのかと分析もすごい沢山している。でも 今一歩のところで 迷う。その時にフラットな関係が相方とあったらまた違っていたのかも。それにM-1グランプリだけは獲れなかったのは それだけではだめなんだろう。

相方の言い分は全く分からない。全部任せることがコンビをうまくやる「コツ」と思ったのかも。本人は気づかない「圧」があったのかもしれない。とにかくそこがわからない事がこのコンビの致命傷だったと思う。