「痛みなく歩きたい」との一念で入会した筋トレジムに通って一か月半が経つ。同じ悩みを持つジジババとリハビリ用のマシーンに取り組んでいた。
社会に出て５０年余り、運動と言えばゴルフに行くことぐらいだった。歩くのはネオン街を梯子酒するときにウロウロするぐらいのものだ。運動不足と不摂生な生活で身体は錆びだらけの状態である。
残りの寿命もカウントダウンが始まっている。「せめてあと十年、人生を楽しみたい」とジムの門をたたいたのだ。一か月ほどジジババに囲まれてせっせと身体を動かしたが、だんだん物足りなくなり、今月から、中山きんに君も愛用しているというマシーンに挑戦している。
ジジババは誰も私の周りにはいない。負荷が強すぎて無理なようだ。ふふふ、何だか少し優越感を感じながら婆さんたちの熱い視線を浴びている。今取り組んでいるのは腹筋を鍛えるマシーンである。
私の腹はワンパック、ぷっくら膨らんだ腹が貫禄がある、と言われた時期もあったが今の私には無用である。トレーナーに「かっこよくTシャツが着たいよね」と軽口をたたきながら今日も励んできた。
夏までにはまだ時間がある、「Tシャツを着て颯爽と歩く姿」を思い浮かべて腹筋腹筋又腹筋である。……… が、まだ見た目は変わらない。早くツーパックにならないかな～。なんてね。