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グループホームの部屋には、寝心地良さそうなベッドが付いていました。一人暮らし(?)を始める息子の準備にテンション高くなっていた私は「このベッド素敵!」と、ベッドに寝るのを決定事項にしました。
「この子は寝相良いからベッドで寝られます」
と宣言したものの、普段は高さ15センチくらいのマットレスに寝ています。落ちても大丈夫でしょうか?水頭症で頭にシャントが入っていますから、頭を打ったら危険です。
それにそもそも、自分でベッドに乗ろうとするでしょうか?
普段遊んでいるキーボードはどこに括り付けたら良いのでしょうか?
数々の問題点はあったのですが「ベッドって素敵!」と目がハートマークになっていた私は、「ベッドに柵を付ければいいんじゃない?」と前向きに考えます。
調べてみると、後付けの柵が売られていましたが、マットレスの下に挟むとか、自立させるとかで、体重をかけたら倒れてしまいそうです。
「じゃあそれ専用の介護ベッドをレンタルしちゃおう!」
と思いつきました。レンタル料は月700円〜と書いてあります。市役所に聞いたら、障害者の助成もあるようです。これならいいんじゃない?と、フランスベッドに電話してみました。
フランスベッドさんは親切で、すぐに自宅に来てくれました。やはり専門家に直に書いてみるのが一番です。ベッドの大きさ、高さ、柵のタイプ、開く角度、電動で背もたれが上がるとか、ベッドの高さが変えられるとか、ひゃー、痒い所に手が届く様なきめ細やかな仕様です。
「レンタル料は幾らですか?」
それがなんと、ホームページに書いてある様な「月700円〜」というのは、介護保険を利用した場合で、うちの子のような若い(介護保険でない)障害者には、適用がないそうです!
「実費で月4700円〜になります。オプションで手すりカバーなどを付けると、もう少しします」
ええっ。もうびっくりです。
「障害者の場合は、購入して頂くと『日常生活用具の特殊寝台』として約20万円まで助成を受けられます」
例えば1週間だけレンタルして試し、良ければ購入、という方法があるそうです。
「ただ、お客様の場合は、ご自分で立ったり車椅子に乗ったり、動けるということなので、必ずしもベッドを使用されなくても良いと思います」
とのこと。…確かに。
浮かれていたが、どうやらうちの場合、介護ベッドは必要ないようだ。
介護ベッドは、足腰が弱くて自分で車椅子に移乗出来ない人に適しているらしい。ベッドを昇降することで、ベッドから車椅子に「下りる」、車椅子からベッドに「下りる」ようにすれば介護者の負担が減る。うちがレンタルするのは、うん十年先の高齢者になってからで良いようだ。
「ちなみに、目が不自由だということなので、部屋の中に手すりを付けてガイド(道標)として使うこともできます。手すり、入浴補助具なども助成の対象です」
なるほど。そちらの方が興味深い。
ドアから布団まで手すりを付ければ、自分で歩いて行ける。
しかし、うちの子の腕力と、物を壊そうとする意欲をなめちゃいけない。手すり、壊すだろうな。
フランスベッドさん、ありがとう。
今日は役立つ情報を教えて貰いました。
頂いた冊子はバイブルにします。
結局、家で使っていたベッドとマットレスを運び込むことにしました。ベッドは本来の使い方ではなく、手すりとして…。
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