たーりーさんの学校が休校になってから4ヶ月が経った。その間、自分の時間ってほとんどなかった。
たーりーさんが起きている間は、私が何をしていても構わず、色々と要求してくる。
「電話中だからちょっと待っててね」
とか
「洗濯物が干し終わったらね」
と言うと納得してくれるけど、毎回言うのも辛い。
たーりーさんが寝た後も、カレッジの課題と家事が待っているので、自分の時間ではあるけど自由に使えない。
週1度の食料の買い出しは1人で行くけれど、重いカートを押してながら、マスクもせずソーシャルディスタンスも気にしてないスタッフとかお客さんの側を通ってする買い物はやっぱり気が張る。
でも今日は久し振りに1人で過ごす時間があった。
久し振りに病院の予約があった。車で行けば1時間以内に帰ってこれる。でも、たーりーさんはテレビを見ながら工作をやるから1人でも大丈夫、と言うし、旦那さんも良いよ、と言うので歩いて行くことにした。
お天気も良くて、車も人も少なくて、往復で2時間足らずだったけど心身ともにスッキリした。
3年前に左の脇の下のリンパ節を取った時、リンパ浮腫になりやすくなるので気をつけるようにと言われていた。重いものを持ったり左の腕のケガなどを避けるようにと何度も言われた。
でもたーりーさんを抱っこしたり、重い荷物を担いだり、ヤバイかな?と思うことをしていた。
ロックダウンの真っ只中に、左の肘の少し上が腫れていることに気がついた。そして左の人差し指が腫れて痛みを感じ始めた。
とりあえずかかりつけのクリニックに電話をした。電話での診察で
「う〜ん、リンパ節を取り除いた経験があるし、症状からして多分リンパ浮腫だと思うけれど、これは病院が担当なのでそちらに連絡してください。もしクリニックに連絡するように言われたらまた連絡してください」
と言われた。
でもイギリスでは丁度コロナウイルスの感染がすごい勢いで広まっていた時だったので、電話しなきゃ、と思っているうちに今になってしまった。
運動すると良いと何処かで読んだので、ヨガとか二の腕のエクササイズをやった。そのせいか指の腫れも痛みもなくなった。でも肘の上の腫れはひかない。
コロナ感染の数も減ってきているし、第二波が来る前に今のうちに解決しよう、と電話をしてみた。
病院の何処に電話して良いかわからず、腫瘍科の先生の秘書に電話をしたら
「う〜ん、ブレストケアナースに話してみるのが良いかも」
と繋げてくれた。状況を説明したけど、判断が難しいから来れるか?と言うので行くことになった。
病院に着くと、入り口の直ぐ入ったところにおじさんが立っていて、予約はある?と言うのである、と言うと、アルコールで手を消毒するように言われた。病院はマスクをしないといけないのだけれど、してない人もいて、そういう人にはマスクをあげていた。
普段は沢山の人が行き来して賑わっているけれど、今日は静かだった。予約の数も制限してるのかも。同行した人で外で待つように言われていた人もいた。
ブレストケアクリニックにも待ち合い室らしいものがあるけれど、ほとんど人がいなかった。
ブレストケアナースは私の腕を一目しただけで
「腫れてるね」
とリンパ浮腫のクリニックに予約を入れてくれた。
ブレストケアクリニックには何度行ったことだろう。シコリの検査、術前後の診察、抗がん剤の投与にその間の診察。不安で仕方がない時にも話を聞いてもらいに行った。
ブレストケアナースは世界で一番信頼できる人達かも。何時も穏やかで、忙しい筈なのにしっかり話を聞いてくれる。どんな質問をしてもちゃんと答えてくれる。
今日は何だか卒業した学校を訪れてる様な気がした。治療に通うのは嫌だけど、たま〜に
「元気?変わりない?」
と会いに行きたくなる。
懐かしかった。