昨日たーりーさんがナーサリーから帰ってくると、
「明日はね、ヴァレンタイムズデーだからピンクのお洋服来ていくんだって」
と言い始めた。
「ヴァレンタイムズデー」と言うたーりーさんが面白くって可愛くって、そして来年には多分聞けない言葉だ、と思うとよけい聞きたくって、
「明日はなんの日だっけ?」
って何度も聞いた。
今日はたーりーさんとヴァレンタインのクッキーでも焼こうと思っていたのだけれど、お友達が夕飯を持って会いに来てくれるとのこと。時間がなさそうなのでやめることにした。
今年に入ってこうしてご飯を持って来てくれるのも3度目。小さいお子さんが2人いて、早くても車で30分かかるところからわざわざ来てくれた。もともとプレイグループで知り合い、プレイグループ外でも何度か会っていたけれど、お互い子供の用事があったりして、数えるくらいしかなかったかも。
乳がんが分かってほとんどの友人には伝えた。たーりーさんのプレイグループやナーサリーを通じて知り合いになった方達にも数人に話してある。歩ける距離に住んでいる人もいれば、市外に住んでいる人もいる。皆それぞれ違う形で支えてくれている。看護婦さんに、
「癌になってみて人生の考え方が変わるよ。大切な人や大切な物が何かわかるよ」
みたいな事を言われた。
本当にそうだと思う。
もともと、会いたい、一緒に話がしたい、と思う人以外とは付き合わない方だったけれど、癌になってから自分の友人達がどれだけ良い人達なのかが改めてわかった。自分にとってどれだけ大事な存在なのかもわかった。
自分も忙しいのに、ご飯を作って持ってきてくれたり、辛いときにはチャットで励ましてくれたり、素敵なお花を届けてくれたり…。
私は外国に住んでいるけれど旦那さんの家族はこっちにいる。かなり助けてもらっている。それなのにご飯も作ってくれるなんて申し訳なかった。
今日来てくれた友人にも以前言ったのだけれど
「強制的に持ってく」
と言ってきてくれた。本当にありがたい。何度もお礼を言って、ありがたい、と感謝の気持ちも伝えたけれど、どれだけ有り難いか伝わったかな?
「癌になって良かった」
と言う方達もいらっしゃるようだけれど、私はそこまでは思えない。でもなんとなく分かる気がする。
遠慮をするのが良いと育てられた。周りに迷惑をかけないように、と。旦那さんもどっちかっていうとそんな感じ。日本人はそんな感じの人が多いかな?
インドでは
「人生のうち、周りに助けてもらうことがあるのだから、困っている人がいたら助けてあげなさい」
と言って育てられる、と読んだことがある。
癌になって助けてもらったから、他の人をどうしたら助けてあげられるか、少しわかった気がする。この先友人や家族が困っていたら、出来るだけの事をしてあげたい。
クッキーは焼かなかったけれど、友人が焼いてきてくれた。本当にありがとう。