私が受けていた指導者講習会で教わった、指導者の役割の1つです。guided discoveryだそうです。私が指導の現場に立つ時はけっこう意識してます。


 練習でも試合でも選手を意のままに操ろうとする声かけを耳にしますが、選手を操作する程の声かけをして良いのは、その道のプロか、自身がプロサッカー選手として経験した人くらいだと思います。指導のプロは指導法を熟知しているので選手を操作することはないと思いますが。シャビアロンソみたいにスーパーなデモを選手に披露できる指導者も憧れますね。プロ選手程じゃなくても技術的な感覚は知っておいたほうが指導者もサッカーはやった方が良いです。


 選手主導で発見を導くために重要なのは問いかけです。どうしたかったのか、どうすべきだったのか、プレーの5W1Hを選手がストレスに感じない頻度で問いかけて答えを引き出す。選手の目線よりもコーチは引いた位置で周囲の状況を見られているので、選手が見るべきだったが見えていなかった周囲の状況を教えてあげて、アイデアの材料を与えれば選手は勝手に答えを導き出してくれます。


 画用紙と絵の具と描く道具を渡して、テーマだけ伝えて後は好きなように描かせれば良いのです。各々独創的な作品を生み出す過程で、どんな作品にしたいのか作品のイメージを聞いて、それならこんな技法もあるよと少しアイデアを分けてあげれば良いのです。特に育成年代は。指導者は各選手の独創性を含んだ作品だったりその過程を楽しめば良いのです。いちいち手取り足取り口うるさく教える必要はありません。それは練習でも試合でも。


 だからこそ、選手のらしさを引き出せる雰囲気作りは重要ですよね。そして最低限のモラルと礼節、ほんのちょっとの緊張感があれば、見栄えの良いものになるのではないかと思います。