とろとろのカタチ 2 | 櫻と葉っぱの物語❤

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櫻葉❤
ときどき大宮☆

こちら側の方のみいらしてください☆

【2017年11月開設】

ファン歴非常に浅いため、
諸所おかしなところがあるかもしれません。

ご愛嬌と優しく許してくださったら幸いです。

【お話の内容転写利用、画像利用などお断りします】

 

もう一口、コーヒーを飲む。

 

冷めきっていないそれは

なんとも言えない香ばしさでおれを包んで、

 

昨晩は

世界で一番だ・・と思ったビールから

たったいま、

 

コーヒーが世界で一番の

癒しのアイテムに格上げになったことを、

 

たった独りだけの世界で感じて満足した。

 

 

マグカップを洗って手をふくと、

 

いわゆるおしゃれとは無縁のおれは、

 

ありふれた白いTシャツに

いつものベージュのジャケットを羽織って

部屋を出る。

 

 

 

太陽が苦手なおれにとって、

春の日差しは優しくはない。

 

 

ノートパソコンさえあれば

あとはたいして持ち物はないから、

 

持ってく荷物は

小さなカバンで十分おさまった。

 

 

 

 

電車に揺られてその街を目指す。

 

まぁ、

目指すというのは大げさな言い方だ。

 

 

ときおり、

わざわざ時間を作ってでも

あっちに行っていたけれど、

 

なんだかもう面倒で

 

今日からはしばらく

そっちに暮らすことにしたってだけのこと。

 

 

太陽が苦手なくせに、

出発を昼間の時間を選んだのは

 

この時間が一番、

電車が混んでいないから。

 

 

 

大学の4年間、暮らしてたその場所は、

おれにとっても住み慣れた、

 

懐かしい場所ではある。

 

 

でも本当ならいまの日常がある、

都会の方が好き。

 

 

あんだけヒトがうようよしてるのに、

通り過ぎるすべての人たちが

おれにはまったく無関心ってのは

ひどく心地がいい。

 

 

おれにはそういう場所が合っている。

 

だから卒業と同時にこっちに帰ってきた。

 

 

グラフィックデザイナーという職種を選んだのは、

 

集団行動が苦手な自分は

もともと就職する気がなくて、

 

孤独に出来る仕事が良かったから。

 

 

決まった時間に決まったところに通うのも苦手で、

だから個人でやることを選んだ。

 

 

興味のあった

パソコンを使っての仕事を選んだおかげで、

 

仕事をする場所も時間も

ほとんど自分で決められる。

 

 

そういう意味では自由だ。

 

そして孤独。

 

 

でもそれは、

すべてにおいておれらしいともいえる。

 

ありがたいことに

仕事も途絶えたことはない。

 

 

 

電車の窓から海が見えると、

その美しさに思わずため息をつく。

 

 

 

まぶしすぎるのだ。

 

鮮やかに。

 

それは清々しくて気分が滅入る。

 

 

 

根暗な自分を

勝手に変えようしてくる太陽や海に、

 

どうしたって

 

仲良くはなれそうもないと感じる。

 

 

 

海にはなんの

悪気がないとわかっていても・・・