とろとろのカタチ 1 | 櫻と葉っぱの物語❤

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櫻葉❤
ときどき大宮☆

こちら側の方のみいらしてください☆

【2017年11月開設】

ファン歴非常に浅いため、
諸所おかしなところがあるかもしれません。

ご愛嬌と優しく許してくださったら幸いです。

【お話の内容転写利用、画像利用などお断りします】

Side:N

 

 

『淹れたてのブラックコーヒーと

よく冷えたイチゴって合うよね』

 

 

・・・と。

 

 

オレの親友の相葉雅紀が

自分の恋人を甘く見つめて

言っていたシーンを突然、

 

アンチョビ入りの

グリーンオリーブを食べながら

思い出した。

 

 

確かあれは

いまぐらいの時期・・・

 

ずいぶんあたたかくなった

春先だった・・と思う。

 

 

3人が3人とも、

 

長そでのロングTシャツを

ペラリと1枚で着ていたから。

 

 

そして、

 

『雅紀がそう言うならそうかもね』

 

・・・と。

 

 

その恋人である櫻井翔が、

 

少しの恥ずかしげもなく

やっぱり相葉君を見つめ返しながら

言ってのけていたシーンを続けざまに思い出して、

 

思わずため息が漏れた。

 

 

「オリーブの方が合うだろ」

 

・・・と。

 

 

もう一口、

 

アンチョビ入りのオリーブを口に含むと、

まだネツの冷めない

ブラックコーヒーを一口飲んで、

 

独り言を言った。

 

 

 

最も、

 

アツいブラックコーヒーと

冷たいイチゴの組み合わせを

 

おれは食べたことが

ないのだけれども。

 

 

 

カーテンを閉め切った

味気ない真っ昼間の自分の部屋で、

 

目の前のパソコンの画面には、

 

おれの苦手な真夏の太陽と真っ青な海が

これでもかってくらい眩しく輝いていて、

 

それはうっとうしいくらいに

その美しさや大胆さを見せつけてくる。

 

 

自分が描いた「画」とはいえ、

見るに堪えないな・・と思いながらも

 

全体的にその画のイメージを感じとること

を意識しつつじっと見つめて、

自分の中で「OK」の許可が下りると、

一度、その面を閉じた。

 

 

簡単にメッセージを打ってから

その画を添付して送信ボタンをクリックする。

 

 

「ふぅ・・」

 

 

っとひと息、息をついて

コーヒーを口に含んだ。

 

 

 

画面上で見るだけでも

これだけ「圧」を感じるのだから、

 

本当の海なんて見に行くのは本当に億劫だ。

 

 

それでも、

 

今日はこれから

海を見に行かなければならない。

 

 

正確には、

向かう場所にたまたま海がある・・・

 

ということなんだけれども。

 

 

おれにとっては

どっちだって同じことだ。

 

 

おまけにしばらくは

「そっち」にいる。

 

 

迷った末、

しばらくは「向こう」で過ごす

と決めたから。

 

 

しばらくってのはつまり、

期間を決めていないってこと。

 

いつまたこの部屋に戻るかは

わからない。

 

 

モノが少なく、

色味もあじけない部屋ではあっても、

 

自分が快適に過ごすには最適な部屋だから

 

しばらく戻ってこれないことに

少しは残念な気持ちもある。

 

 

けれどもまぁ、

住む場所にはたいしてこだわりはない。

 

 

多少、広めのスペースがあって、

テレビとパソコンがあれば

 

あとはたいして必要ない。

 

 

 

ゲーミングチェアの背もたれに

全身をあずけて

 

さっきの威圧的な夏の画を思い出す。

 

 

・・いまは春だから少しはましかな・・

と思い直してパソコンの電源を落とした。

 

 

「はぁ・・・」

 

 

なんとなく独り、ため息が漏れた。