櫻葉❤
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Side S
ぶっちゃけ、大した成績は取れないだろう。
でもいいのだ、
判断するためのテストなんだから。
今月の終わりにはまた別の、
本番レベル模試というヤツがあって、俺はそれも受ける。
勉強にさほど関心がなかった俺は知らなかったけれど、
こういった全国一斉テストってのは月イチレベル以上にあって、
俺の思ってる以上の奴らが全国で受けているのだ。
予備校の自習教室に入ると
いつもながらその部屋にはたくさんの生徒がいるくせに
ひとりとしてしゃべってるヤツがいない。
壁で仕切られた狭い空間で、
各々が自分たちの取り組むべきナニカに取り組んでいる。
空いてる席を見つけて座ると、机の電気をつけた。
8月いっぱいの間、予備校で受ける授業はすべて
特別授業ってカタチになって、
いつもとは受ける授業が変わる。
この8月、自分の取ってる授業前の時間、授業をやってない教室がない。
仕方がないからこの部屋で参考書を開く。
俺はこの夏、5教科すべてを取っていて、おまけに
数学は2つ、英語も長文とグラマー、それから現代文と古文と、、、
とりあえず取れるだけクラスを取って、受けることにしているから、
ほとんど毎日、ココに通う。
おまけに、授業は午後からはじまるものもあれば、
午前中に1時間あって、午後の3時ごろにまた別の授業が合る曜日もあったして、
時間を持て余す日が多い。
とはいっても俺の場合まずは
目の前の中学の参考書を終わらせることが先決だから、
空いてる時間にやることは明確だった。
中3の数学の参考書を開くと、家で凍らしておいたペットボトルも取り出す。
眠気が襲ってきたとき、冷たいモノをさわると目が冴えるのだ。
まだ高校の参考書を開けない状態でも
この数カ月で数学に対する拒否反応はずいぶんと減った。
それでもまだ、眠気に勝てない時間の方が多い。
ノートを開くとシャーペンを握って、参考書の問題に取り組みだす。